7月の主要統計は好調だった6月に比べると、やや回復力に欠けた。新型コロナウイルスの影が薄れる一方、南部で続いた大雨や洪水が響いた。消費はなお盛り上がりに欠け、社会消費品小売総額は依然として前年実績割れが続く。輸出は好調だったが、内需の不振から工業生産の伸びも足踏み状態となった。企業の景況感を見ても、国有大型企業は良いが小規模企業はなお悲観的で、中小の割合が高い民間企業は投資にも慎重な姿勢を崩していない。指導部は米国との対立の深刻化をにらみ、内需主導の経済発展を模索するが、足元の国内経済はなお不安定要因に揺れているようだ。
概要
- 固定資産投資と不動産開発:民間投資に弱さ~不動産の伸び目立つ
- 輸出入 :輸出がさらに増加~対米黒字も拡大
- 工業生産 :伸び率変わらず4.8%
- PMI :景況感、一段の回復~小型企業は厳しく
- 社会消費品小売総額 :消費の本格回復に遅れ~1.1%減
- 消費者・卸売物価指数 :PPIの下落、底打ちか
- 新築住宅価格動向:販売価格の上昇基調続く
- 求人倍率 :第2四半期は急低下
☆トピックス :対中直接投資はプラス基調に~米国からの投資も増える
:4~6月期の成長率 台湾、香港ともにマイナスに
:膨張続く中国債務、4~6月はややペースダウン
:新車販売、7月は4カ月連続増~新エネ車もプラスに
☆主要経済統計:バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
キーワード
バックナンバー
- 2021/02/24
-
CPIが再びマイナスに、景況感にやや陰りも
- 2021/01/18
-
2020年はプラス成長を維持 GDP2.3%増に
- 2020/12/15
-
輸出の拡大加速、生産・消費も伸びる
- 2020/11/16
-
投資、消費とも回復基調が鮮明に
- 2020/10/19
-
成長率 7~9月期は4.9%に加速