7~9月期の実質経済成長率は前年同期比4.9%と、3.2%だった4~6月期から1.7ポイント上昇。2四半期連続のプラス成長となり、1~9月の成長率も0.7%とプラスに転じた。新型コロナウイルスの感染拡大で先進国が軒並みマイナス成長を強いられる中、中国経済は正常化への足取りを強めている。9月は固定資産投資が0.8%増と年初来、初めてプラスに転換したほか、輸出も9.9%増と好調で、成長率を押し上げた。回復の遅れが懸念された消費も社会消費品小売総額が3.3%増と緩やかに盛り上がってきた。雇用や所得の改善にはなお不安な面も残るが、10月は大型連休中の消費が好調だったことなどから、10~12月期は5%台、通年では2%台の成長率が期待できそうだ。
概要
- 実質経済成長率 :7~9月期、市場予想はやや下回る
- 固定資産投資と不動産開発投資 :伸び率、プラスに転換~不動産が牽引
- 輸出入 :輸出入とも高い伸び
- 工業生産 :前月からさらに拡大~コロナ前の水準に
- PMI :景況感の改善、小規模企業にも広がる
- 社会消費品小売総額 :消費は緩やかに回復
- 消費者・卸売物価指数 :CPI上昇率、1年半ぶりに1%台へ低下
- 新車販売台数 :需要回復、2ケタの伸び続く
☆トピックス :中国のデジタル経済、GDPの3割超える
:にぎわった国慶節商戦~消費持ち直す
☆主要経済統計:バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
キーワード
バックナンバー
- 2023/11/15
-
景気回復、一進一退 景況感が再び悪化
- 2023/10/18
-
7~9月成長率は4.9%、消費回復が寄与
- 2023/09/15
-
住宅価格の下落止まらず、輸出のマイナス続く
- 2023/08/15
-
景気減速、鮮明に 輸出・消費・投資とも振るわず
- 2023/07/18
-
4~6月成長率は6.3%にとどまる