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中国統計 統計で見る中国経済 (10月)

投資、消費とも回復基調が鮮明に

――輸出2ケタ増、CPIは11年ぶり低い伸び

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2020/11/16

 10月の主要な経済統計では、中国経済のコロナ禍からの回復ぶりを示す数字が並んだ。目立ったのは輸出の伸び。前年同月比11.4%増と約1年半ぶりの2ケタ増となり、1月からの累計でも0.5%増とプラスに転じた。月初の大型連休が消費を刺激し、社会消費品小売総額も名目ベースで前年同月比4.3%増と、年初来で最も高い伸び率に。マイナスが続いた飲食業もプラスに転じており、多くの従業員を抱えるレストランの復活は雇用問題にとって明るい材料といえる。消費者物価は豚肉の高騰が鎮静化したこともあり、0.5%の上昇と11年ぶりの低い伸びに止まった。

概要

  1. 固定資産投資と不動産開発  :投資が回復、民間部門はマイナス続く  
  2. 輸出入  :輸出の伸び加速、1年半ぶりの2ケタ増
  3. 工業生産  :伸び率の回復続く~ロボット、半導体好調
  4. PMI  :景況感、コロナ禍で小型企業が悪化
  5. 社会消費品小売総額  :大型連休が伸び底上げ、飲食もプラスに  
  6. 消費者・卸売物価指数  :豚肉の値下げで11年ぶりの低い伸び
  7. 新車販売台数  :6カ月連続の2ケタ増、EVも急増
  8. 新築住宅価格動向  :地方都市での下落が目立つ

☆トピックス  :粗鋼生産、過去最高の年産10億トン突破へ
        :7~9月成長率 台湾はプラス転換、香港はマイナス3.4%
        :中国の対GDP債務比率 7~9月期は拡大ペースが一段と減速

☆主要経済統計  :バックデータ

※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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