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産業ピックアップ

EC(電子商取引)化の進展で、2035年には宅配便は倍増

貨物の小口化で自動車貨物の効率悪化・人手不足が顕在化
デジタル技術を活用し輸送効率改善が必須

 

2020/11/17

執筆 研究生・有田 勇一(衆議院事務局より派遣)
監修 主任研究員・小林 辰男、副主任研究員・高野 哲彰

<ポイント>
 宅配便の取り扱い個数は増加しており、2019年度の43億個から2035年度には88億個へ倍増するだろう。ネット通販利用の増加が主因だ。物販系EC化率は2019年度の7%弱から2035年度には約30%に高まると見込まれる。ただ宅配便は荷主から荷物を受け取るまで輸送物や輸送先が分からず、事前にトラックやドライバーの割り当てが難しい。その結果、トラックに空きスペースが発生するなど、低い積載効率が、今後ますます課題となる。輸送の小口化が進めば、何カ所も配送先を回ったり、再配達が必要になったりするなど手間もかかる。対応には業界全体でデジタル化、業界標準化の策定が急がれる。

宅配便取扱個数は増加し続ける

(資料)国土交通省『宅配便取扱実績』、予測は日本経済研究センター