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中国統計 統計で見る中国経済 (11月)

輸出の拡大加速、生産・消費も伸びる

――景況感に一段の明るさ、元高が不安定要因に

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2020/12/15

 中国経済はコロナ禍からの緩やかな回復を続けている。11月の主要統計では輸出の好調さが目立ち、経済のけん引役となった。海外向けの出荷増を受けて工業生産が上向き、企業の景況感は中小企業を含めて明るさを増している。消費も自動車を中心に勢いを取り戻しつつあり、10~12月の実質経済成長率は前の期の4.9%をさらに上回りそうだ。全国都市部の調査失業率は前月より0.1ポイント低い5.2%だった。 ただ、秋口以降の人民元高による輸出企業の採算悪化が懸念材料。政府の規制を受け新築住宅の販売価格も下落傾向に転じており、強気だった不動産投資が今後、減速する可能性がある。

概要

  1. 固定資産投資と不動産開発  :不動産投資の勢い衰えず  
  2. 輸出入  :輸出の拡大加速、20%超す伸び率
  3. 工業生産  :伸び率の回復続く~ロボット、半導体好調
  4. PMI  :景況感に一段の明るさ、小型企業も改善
  5. 社会消費品小売総額  :年初来、最も高い伸び~飲食はマイナス  
  6. 消費者・卸売物価指数  :豚肉値下げで11年ぶりのマイナスに
  7. 新車販売台数  :7カ月連続の2ケタ増、EVも急増
  8. 新築住宅価格動向  :「下落」した都市数が大幅増

☆トピックス  :中国、産児制限の全廃に踏み切るか
        :香港の外資系企業数、過去10年で初めて減少

☆主要経済統計  :バックデータ

※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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