中国経済はコロナ禍からの緩やかな回復を続けている。11月の主要統計では輸出の好調さが目立ち、経済のけん引役となった。海外向けの出荷増を受けて工業生産が上向き、企業の景況感は中小企業を含めて明るさを増している。消費も自動車を中心に勢いを取り戻しつつあり、10~12月の実質経済成長率は前の期の4.9%をさらに上回りそうだ。全国都市部の調査失業率は前月より0.1ポイント低い5.2%だった。 ただ、秋口以降の人民元高による輸出企業の採算悪化が懸念材料。政府の規制を受け新築住宅の販売価格も下落傾向に転じており、強気だった不動産投資が今後、減速する可能性がある。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :不動産投資の勢い衰えず
- 輸出入 :輸出の拡大加速、20%超す伸び率
- 工業生産 :伸び率の回復続く~ロボット、半導体好調
- PMI :景況感に一段の明るさ、小型企業も改善
- 社会消費品小売総額 :年初来、最も高い伸び~飲食はマイナス
- 消費者・卸売物価指数 :豚肉値下げで11年ぶりのマイナスに
- 新車販売台数 :7カ月連続の2ケタ増、EVも急増
- 新築住宅価格動向 :「下落」した都市数が大幅増
☆トピックス :中国、産児制限の全廃に踏み切るか
:香港の外資系企業数、過去10年で初めて減少
☆主要経済統計 :バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
キーワード
バックナンバー
- 2023/11/15
-
景気回復、一進一退 景況感が再び悪化
- 2023/10/18
-
7~9月成長率は4.9%、消費回復が寄与
- 2023/09/15
-
住宅価格の下落止まらず、輸出のマイナス続く
- 2023/08/15
-
景気減速、鮮明に 輸出・消費・投資とも振るわず
- 2023/07/18
-
4~6月成長率は6.3%にとどまる