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金融研究

コロナで加速する地銀の再編
―地方圏で金融過剰度高く、経営基盤強化が急務―

2020年度金融研究班報告②:再燃する地銀再編論

主査:左三川(笛田) 郁子
  金融研究室長兼主任研究員
総括:宮﨑 孝史
  副主任研究員
委託研究生:飯田航平、竹内直也、田中哲矢
   

2020/12/22

  主要金融当局の果断な政策対応によって、コロナ・ショックによる金融市場の動揺は鎮静化したが、中銀のバランスシートは過去にない規模に膨らんだ。企業の資金繰りは統計から見えるよりも実態は悪く、手元資金を確保する動きは依然として強い。信用保証協会による保証残高はすでにリーマン・ショック時を上回っているほか、コロナ感染拡大の第3波が広がるもとで、銀行は貸し倒れに備えた引当金を積み増している。先行きの不透明感が増すなか、政府主導で地域銀行の再編に向けた政策が相次いで公表され、長らく64行体制が続いた地方銀行を中心に再編に向けた環境作りが進んでいる。「金融過剰度」を多面的に検証すると、いわゆるオーバーバンキング度合いには地域差が見られる。過去のトレンドが今後も続くとすると、10年後には首都圏を除いて全国的に過剰度が高まる。過去の再編事例をひもとくと、再編で経費削減効果は期待できるが、収益性向上のための根本的な解決策とはなりにくい。異業種との連携も活発化しており、再編を超えた収益性の向上と収益源の多様化に向けた取り組みが不可欠である。

図表 金融過剰度マップ(地域銀行・信金信組・ゆうちょ含む)ー全国的に過剰度が高まる

(資料)地域銀行、信用金庫、信用組合、ゆうちょ銀行の財務データなどから日本経済研究センター金融研究班が試算