中国で急速に回復し続けている新車販売に異変が起こりつつある。急速な需要増などの影響で車載用電子部品が不足し、一部のメーカーでは操業に支障が出始めた模様だ。米国による制裁で半導体の調達が今後、さらに難しくなる可能性もあり、現地メディアは改めて部品の国産化の必要性を訴えている。
【ポイント】
- 中国では自動車市場が急速に回復しているが、完成車メーカーの間では半導体など電子部品の調達難が問題となりつつある。現地からの報道では、部品不足から操業停止に追い込まれた大手メーカーも現れた。
- 中国の自動車産業は部品の国産化が遅れており、国際的に部品の需給がひっ迫すると、より影響を受けやすい構造となっている。
- 部品の調達難は当面、解消されない事態も予想される。自動車産業は中国経済のけん引役であり、完成車の生産がさらに滞れば、明るさが見え始めた景気に水を差すことにもなりかねない。業界では今後、改めて部品の自給体制の確立が叫ばれることとなりそうだ。
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