中国の2020年の実質経済成長率は2.3%となった。新型コロナウイルスの影響から年前半はマイナス成長に転落、通年でも近年で最も低い伸びとなったが、4月以降は輸出と投資が牽引役となり経済が回復。12月単月では工業生産などコロナ以前の水準を超える統計もあり、10~12月期の成長率は市場予想を上回る6.5%と、四半期ベースでは2年ぶりの高さとなった。 21年は20年を大きく上回る経済成長が期待される。ただ、足元は投資や消費の回復がやや鈍いほか、人民元高が好調な輸出の足を引っ張る懸念もあり、国家統計局も「不確定要素はなお少なくない」としている。
概要
- 実質経済成長率 :10~12月期、市場予想を上回る
- 固定資産投資と不動産開発投資 :伸び率、プラスに転換も回復緩やか
- 輸出入 :通年では輸出が3.6%増と伸びる
- 工業生産 :12月、一段の拡大でコロナ前の水準超える
- PMI :景況判断、10カ月連続の50超え
- 社会消費品小売総額 :消費の回復、12月はやや鈍る
- 消費者・卸売物価指数 :CPI上昇率、2カ月ぶりのプラスに
- 新築住宅価格動向 :価格下落に一服感
☆トピックス :にぎわう「一帯一路」の国際鉄道貨物~コロナ禍で空海運からシフト
:中国、2020年の新車販売台数は1.9%減~21年はプラス反転へ
:2019年の成長率を下方修正
☆主要経済統計:バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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