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データサイエンス研究 リサーチペーパー

酒税の税率一本化で変わる販売シェア

ー増税の新ジャンルからビール回帰へー

小澤 智彦、末永 弘樹、杉本 直隆
   
監修:渡辺 安虎
  特任研究員/東京大学教授
田原 健吾
  データサイエンス研究室長兼主任研究員
高野 哲彰
  副主任研究員

2021/03/17

▼ポイント▼

  • 2018年の酒税法改正により、20年、23年、26年の3段階で酒税が変更される。ビール、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)で異なっている税率は発泡性酒類として一本化され、チューハイも26年に増税される。20年10月には、その第1弾として、ビール減税と新ジャンル増税が行われた。
  • 日経POS(販売時点情報管理)データの店舗別・日別・商品別の情報を用いて、20年10月の税率変更前後における販売動向を分析した。新ジャンルは増税によって販売シェアが減少し、価格帯の近いチューハイのシェアが拡大した。
  • 需要関数を推計し、それに基づき26年にかけての税率変更による販売数量シェアの変化を試算すると、減税されるビールのシェアは20年改正後比で+6.2%ポイントの28.9%に拡大し、新ジャンルは同▲5.2%ポイントの34.7%に縮小する。

酒税変更前後のジャンル別販売数量シェアの推計

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 日本経済研究センターは2020年度、ミクロのビッグデータから経営戦略に役立つ知見を引き出す人材を育成する「データサイエンスコース」を新たに開設しました。元アマゾンジャパン・経済学部門長の渡辺安虎・東京大学教授がコースの指導にあたります。ビジネスの文脈上で実践的なデータを活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)経営を担える科学的な分析能力を養います。
 その分析成果の一部をこちらで発信していきます。

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