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- コロナ禍の中で、わが国では大規模な移転所得が生じた。政府から個人ならびに中小・零細企業に対して各種「給付金」が支払われたためだ。20年度、家計部門でその規模は約20兆円と試算できる。
- こうした追加的な収入があっても家計部門では消費が手控えられた。このため、20年12月末の現預金保有残高は、同年3月対比で56兆円増加して1,056兆円となった。
- こうした中、家計部門に潜在的に蓄積しているペント・アップ需要は9.3兆円と試算できる。中年現役世代では4.4兆円、退職世代では4.9兆円。新型コロナウイルス感染症への懸念が緩和すれば、同需要は具現化していく。
- 中年現役世代に比べて目先の雇用環境から影響を受けにくい退職世代は、21年度、民間消費全体のけん引役かつ下支え役になると期待できる。
- 彼らによる外出関連消費を喚起するためには、円滑なワクチン接種に加えて、感染予防に配意した店舗運営やサービス内容が重要となる。
- 地域選択的なワクチン接種の実施や同接種証明書の発行は、そうした企業努力の実効性を高めると期待できる。
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