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中国・アジアウォッチ 2020年度アジア研究報告書 (日本経済新聞社からの受託研究)

米中デカップリングとサプライチェーン 

座長:宮本 雄二・宮本アジア研究所所長
   
幹事:伊集院 敦
  首席研究員

2021/03/29

 公益社団法人日本経済研究センター(JCER)では、2020年度のアジア研究報告書『米中デカップリングとサプライチェーン』をまとめました。
 米国と中国の経済を切り離すデカップリング(分断)の動きが続いています。「新冷戦」とも呼ばれ、世界一の座をめぐって激しさを増している大国同士の競争に、2019年末からの新型コロナ危機が輪をかけました。
 バイデン米大統領は中国を「最も重大な競争相手」と位置づけ、重要部材のサプライチェーンを見直す大統領令に署名しました。大統領は「米国の国益になる場合は協力する用意がある」とも述べていますが、中国への投資規制強化や中国人留学生・研究者の受け入れ厳格化など、中国とのデカップリングはモノや技術だけでなく、カネやヒトにも広がり始めているのが現状です。
 対する中国は「双循環(2つの循環)」と呼ぶ内需に軸足を置いた新たな成長モデルの構築に着手し、米国の政策に影響されない独自のサプライチェーンづくりに動き始めました。安全保障を理由に戦略物資などの輸出制限を強化する輸出管理法を施行するなど、米国に対抗するための態勢固めを幅広く進めています。
 世界1位と2位の経済大国同士のデカップリングが世界に及ぼす影響は大きく、日本企業も両国の動きに応じて具体的な対応を迫られます。半面、米中のデカップリングは言葉が独り歩きしているところもあり、気候対策や新型コロナ対策など、米中対立が激化する中でも協力が期待される課題もあります。どの分野でデカップリングが進み、どの領域では進まないのか。デカップリングが予想される分野は実際にはどんな形で、どの程度、分断が進むのか。冷静な議論と慎重な見極めが必要です。そのような観点から、各分野の専門家が参加し、米中のデカップリングの実像と背景、今後の展望に関する分析を試みたのが本報告書です。少しでも読者のご参考になれば幸いです。

【執筆者一覧】

宮本 雄二
宮本アジア研究所代表(元駐中国大使)
鈴木 一人 
東京大学公共政策大学院教授
土屋 大洋
慶應義塾大学教授
日本経済新聞社 客員論説委員
詫摩 佳代
東京都立大学法学部教授
関山 健
京都大学大学院総合生存学館准教授
小竹 洋之
日本経済新聞社 上級論説委員
戸堂 康之
早稲田大学教授
伊藤 信悟
国際経済研究所 研究部 主席研究員
山田 周平
日本経済研究センター研究員
日本経済新聞社 企業報道部アジアテック担当部長
関根 栄一
野村資本市場研究所 北京首席代表
上原 正詩
日本経済研究センターアジア予測室長兼主任研究員
伊集院 敦
日本経済研究センター首席研究員
 
 

 














 

内容に関するお問い合わせは研究本部(TEL:03-6256-7740)までお願いいたします。

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