中国の1~3月期の実質成長率は18.3%と、昨年10~12月期を11.8ポイントも上回り、四半期ベースで過去最高の伸びとなった。1年前の同期は新型コロナウイルスの影響でマイナス6.8%と落ち込んだ。今回はその反動と経済の本格回復が相まって急伸した。主要指標をみると「コロナ前」の平時の水準を上回るものも目立つ。1~3月の輸出額は前年同期比では49%増で、19年1~3月に比べても29%増と好調。民間の設備投資も持ち直した。 4月以降は緩やかに成長率が下落し、通年では8%前後に落ち着く見通し。今後、当局が景気の過熱を避けるため、金融を引き締め気味にするかどうかが注目される。マクロの好況とは裏腹に企業の資金繰りは依然、厳しい。金融のかじ取りが景気の先行きを大きく左右することにもなりそうだ。
概要
- 実質経済成長率 :1~3月期、前期比ベースでは減速
- 固定資産投資と不動産開発投資 :高い伸び率続く~回復基調鮮明に
- 輸出入 :輸出、30%の高い伸び~コロナ前超す
- 工業生産 :一段の拡大でコロナ前の水準に戻る
- PMI : 景況判断、4カ月ぶりに改善
- 社会消費品小売総額 :消費の回復、なお弱い勢い
- 消費者・卸売物価指数 :PPIが急伸、2年9カ月ぶりの高水準
- 新築住宅価格動向 :全国的に一段と上昇
☆トピックス :中国の新車販売、増加ペースに一服感~半導体不足の影響も
:マツダ、中国事業を再編へ~第一汽車との合弁「解消」
☆主要経済統計:バックデータ
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