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経済百葉箱 第159号

コロナ禍の新興国への証券投資、流出は景気下押しに

―米国の短期金利や株価ボラティリティの上昇は流出要因―

藤原和也、丸山大介 <監修>短期経済予測主査:稲葉圭一郎
   

2021/05/27

▼ポイント▼

          • 新型コロナウイルスが流行した2020年1-3月期、非居住者の新興諸国に対する証券投資額は大幅な流出超となった。この大きさはリーマン・ショック時以来の大きなものとなった。
          • 時系列分析によって検出した2000年代前半からのパターンに基づくと、証券投資の流出が大きい国ほど今後、景気が強く下押しされる可能性がある。
          • 新興各国で証券投資の流出が起こる要因について「コロナ禍前」と「コロナ禍」に分けて分析した。その結果、コロナ禍前では、米国の短期金利、米国株価ボラティリティ(VIX)、および先進諸国景気が流出の主要な要因となった。
          • コロナ禍では、①特に米国短期金利のインパクトがコロナ禍前に比べて大きくなった②債券投資に絞って見ると、国内の短期金利水準が高く、その上ソブリン・リスクが小さい新興諸国で、証券投資の流出が小幅ながらも抑制される傾向にあった――という点が確認された。
          • 現在、米国ではインフレ懸念が高まっており、VIXの急激な上昇や金融引き締めへの警戒感が強まっている。仮にVIXや米国短期金利が急激に上昇することになれば、証券投資の流出を通じて、新興諸国の景気が下押しされるリスクがありそうだ。

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