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データサイエンス研究 リサーチペーパー

見た目より下がったコロナ後のアルバイト時給

―ネット求人データでみる学生バイトの苦境―

桐井智弘、久保田昌幸、眞鍋和也(日本経済新聞社)
   
監修:渡辺 安虎
  特任研究員/東京大学教授
田原 健吾
  データサイエンス研究室長兼主任研究員

2021/06/13

<要旨>
 新型コロナウイルス禍はアルバイトの求人も激減させたが、それに比べて平均時給には大きな動きはみられなかった。インターネット求人のデータを集計すると、初の緊急事態宣言前の2020年3月に前年比11.6%増だった求人数は、宣言後5月に同47.7%減に転じた。にもかかわらず、募集時給の平均だけを見ると宣言後も前年比1.2%増と上昇傾向を変えなかった。
 労働需要の減少する中でも平均時給が下がらなかった一因には、時給が低めの職種で求人数の減少幅が大きかったことが挙げられる。宣言直後の5月の平均時給は、低賃金の職種の求人割合が少なくなった「職種構成の変化」がなければ、前年比0.2%減だったと試算される。
 飲食店など低時給で求人の減少幅が大きかった職種は、学生のアルバイト先として人気が高いところと重なる。総務省『労働力調査』によると、コロナ禍で学生バイトの雇用は大きく減少した。求人データからは、「週2日」など週の勤務日数が少なく学業との両立をしやすい求人の減少が著しいこともわかる。親からの仕送りの減少も報告されており、特に学生の生活状況について注視していく必要がある。

アルバイト時給の前年比の要因分解

※2021年6月13日付の日本経済新聞朝刊で本レポートの内容が紹介されました。

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