中国で若者の一生を大きく左右する全国統一大学入試(普通高等学校招生全国統一考試、通称「高考」)がこのほど実施された。年に一度の試験に臨む高校生の数は年々、増加し、今回は過去最高の1078万人にのぼったという。激しい競争から現代版「科挙」ともいわれる「高考」を巡っては、意外なことに日本との関係が中国メディアなどで話題となっている。近年、受験科目のうち外国語で「日本語」を選択する学生が急増しているのだ。
【ポイント】
- 中国ではここ数年、大学入試の外国語科目で、日本語を選ぶ学生が急増している。2020年は全国で10万人を突破。受験生の100人に1人が日本語を選択した。
- 年々、試験問題が難しくなる英語を避け、親しみのある日本語で高得点を狙う、というのが主な理由。受験生の多くはアニメなど日本の文化が好きで、学習しやすいという背景もある。
- 急速な日本語需要の増加に、教師の数が追い付かない状況。日本人教師は賃金が高騰しているとの報道もある。ただ、学生は大学に入ると英語を再び学ぶようになる。就職先として日本企業の人気が未だ高くないためのようだ。
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