北朝鮮が経済事情の変化に合わせ、金融分野で新たな取り組みを見せ始めている。中央集権的な計画経済体制を維持する北朝鮮の金融は中央銀行である朝鮮中央銀行の役割が極めて大きいが、近年は商業銀行の設立など二元的銀行制度への移行が進んでいると伝えられている。韓国の政府系金融機関である韓国産業銀行がまとめた『北韓(北朝鮮)の産業2020』から、中央銀行の動向を中心に北朝鮮の金融業の現況を抜粋・要約して紹介する。
【第25回のポイント】
① 1946年10月に設立された朝鮮中央銀行は本店(平壌)および12の道(市)支店と220の市・郡支店で構成され、当該地域の金融事業を管掌している。
② 中央銀行は発券、通貨調節、支払決済制度の運営、国庫金の管理などの固有機能と信用機能、特殊機能を持つが、2015年以降、各地に商業銀行が設立されたことで一部の機能を移管したようだ。
③ 中央銀行は近年、業務遂行で現れた問題点を解決するため、信用業務の分離やカード事業の開始などの新たな試みも行っている。
① 1946年10月に設立された朝鮮中央銀行は本店(平壌)および12の道(市)支店と220の市・郡支店で構成され、当該地域の金融事業を管掌している。
② 中央銀行は発券、通貨調節、支払決済制度の運営、国庫金の管理などの固有機能と信用機能、特殊機能を持つが、2015年以降、各地に商業銀行が設立されたことで一部の機能を移管したようだ。
③ 中央銀行は近年、業務遂行で現れた問題点を解決するため、信用業務の分離やカード事業の開始などの新たな試みも行っている。
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