中国の経済回復はペース鈍化が目立ち、力強さを欠いている。7月は国際市況の高騰や半導体不足といったマイナス要因に加え、河南省などでの大雨、洪水も影響して工業生産の伸びにブレーキがかかった。固定資産投資の伸びが一段と減速したほか、消費は1ケタの増加率に止まった。成長加速の頼みの綱は輸出だが、ここに来てコロナ禍が鎮静化した国・地域が輸出を再稼働させており、代替生産による中国の輸出押し上げ効果は薄れつつある。これらを受け、企業の景況感は4カ月連続で悪化した。 国内では江蘇省などで新型コロナウイルスの新規感染も発生している。8月以降、いくつも不安定要因を抱える中国は、景気拡大の足取りが変調をきたす恐れがある。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :投資の伸び率、一段と減速
- 輸出入 :輸出の拡大ペースが鈍化、19%増に
- 工業生産 :回復ペースにブレーキ
- PMI : 景況感、4カ月連続の悪化
- 社会消費品小売総額 :
- 消費者・卸売物価指数 : PPIの高騰続く、9.0%の上昇
- 新車販売台数 :3カ月連続のマイナス、半導体不足響く
- 新築住宅価格動向 :「下落」した都市数の増加続く
☆トピックス :債務のGDP比率、圧縮続く~家計は横ばい
香港、台湾の4~6月期の成長率は堅調
☆主要経済統計 :バックデータ
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