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朝鮮半島リポート 【朝鮮半島リポート】 (第27回)

「苦難」の北朝鮮経済(上)

貿易が7割減、国境封鎖で落ち込み

朝鮮半島経済研究会
   

2021/09/08

 北朝鮮の経済難が深刻化している。2017年に強化された国連安全保障理事会の経済制裁措置に、新型コロナや水害が追い打ちをかけた。金正恩政権はウイルスの流入を防ぐための国境封鎖を続け、昨年の対外貿易は大幅に落ち込んだ。韓国の大韓貿易振興公社(KOTRA)が発表した「2020年北朝鮮の対外貿易動向」報告書の内容を紹介しながら、北朝鮮の貿易をめぐる動向を分析する。

【第27回のポイント】

① KOTRAの調査結果によると、2020年の北朝鮮の対外貿易規模は前年比73.4%減の8億6300万ドルだった。 輸出は8930万ドル(前年比67.9%減)、輸入は7億7367万ドル(同73.9%減)で、6億8437万ドルの貿易赤字だった。

② 国連安全保障理事会の制裁で石炭などの鉱物性燃料や水産物、衣類の輸出が減少し、産業用機械類や電気機器などの輸入も減少。新型コロナ対策で北朝鮮当局が行った国境封鎖措置が対外貿易に更に大きな打撃を加えた格好だ。

③ 北朝鮮最大の貿易相手国は中国で、取引規模は7億6080万ドル(輸出4800万ドル、輸入7億1280万ドル)だった。前年比75.4%減少し、北朝鮮の貿易総額に占める割合も前年の95.4%から88.2%に減少したものの、依然として高い貿易依存度となっている。

④ 北朝鮮の本格的な貿易立て直しには非核化に向けた国際社会との対話再開が不可欠だが、核施設再稼働の兆候も見られ、先行きは不透明だ。当面は新型コロナ対応の検疫体制の整備を通じた友好国・中国との取引再開が焦点となりそうだ。

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