8月の主要統計は軒並み大幅な減速となった。経済回復を引っ張ってきた工業生産は原材料の価格上昇や半導体不足から、前年同月比5.3%増と前月より1.1ポイント低下。固定資産投資は今年初めて1ケタの伸びに落ち込んだ。最も深刻なのが消費だ。市場予想の6.5%増を大きく下回る2.5%増に止まった。一部都市での新型コロナウイルスの感染再拡大により飲食業がマイナスに転落したのが響いている。9月以降もデルタ株の市中感染は止まらず、中秋節や国慶節での旅行需要の盛り上がりに水を差す。今後、唯一好調な輸出が変調をきたすと、中国の経済回復に赤信号が灯ることにもなりそうだ。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :投資の伸び率、一段と減速
- 輸出入 :輸出拡大が再加速、25.6%増に
- 工業生産 :回復ペースに一段のブレーキ
- PMI :景況感、5カ月連続で悪化
- 社会消費品小売総額 :大幅なペースダウン、飲食はマイナス
- 消費者・卸売物価指数 :PPIの高騰続く、9.5%の上昇
- 新車販売台数 :マイナス幅が拡大、半導体不足続く
- 新築住宅価格動向 :「下落」した都市数の増加続く
☆トピックス :今後5年の新規就業者数は5500万人を目標に
対中直接投資が急拡大~1~7月は30%増
☆主要経済統計 :バックデータ
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