中国の第3四半期(7~9月)の実質経済成長率は前年同期比で4.9%と前の期(4~6月)より3.0ポイントも低い伸び率となった。ニュースサイト、財新網によるエコノミスト予想の中央値は5.1%で、市場予想も下回り経済の減速傾向が鮮明になった形だ。期中に各地で深刻な電力不足が発生し工業生産にブレーキがかかったほか、不動産市況の悪化や新型コロナウイルスの局所的な感染再発で消費は本格回復にはほど遠い状況。公共投資も盛り上がらない。前期比では0.2%と4~6月の1.3%より1.1ポイント低く、年率換算すると0.8%程度の成長に過ぎない。 10月の大型連休も消費は振るわなかった。年末にかけて電力不足や不動産業界の不振を一定程度、緩和できないと、通年の成長率は8%を割り込む可能性もある。
概要
- 実質経済成長率 :1~9月期の成長率は9.8%
- 固定資産投資と不動産開発投資 :インフラ投資、わずか1.5%の伸び
- 輸出入 :輸出の伸び、拡大続き28%増に
- 工業生産 :素材関連が軒並みマイナス
- PMI :景況感悪化止まらず、19カ月ぶり「50」割れ
- 社会消費品小売総額 :消費はやや持ち直すも勢い弱い
- 消費者・卸売物価指数 :PPIが過去最高の伸び、素材高が響く
☆トピックス :中国の新車販売、9月は19.6%減~通年では昨年並みか
: 国慶節の連休、観光収入は前年割れ~新型コロナ散発で
☆主要経済統計:バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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