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金融研究

全国銀行の最終利益、コロナ禍前の水準には戻らず
―地域銀行の最終利益、特別当座預金制度が1割弱押し上げへ―

2021年度金融研究班報告①:銀行決算分析(21年3月期)

主査:左三川(笛田) 郁子
  金融研究室長兼主任研究員
総括:梶田 脩斗
  副主任研究員
研究生:間場 紗壽、埋橋 尚吾、手塚 昂嗣、生川 貴一
   

2021/10/07

2020年度の全国銀行の最終利益は前年から大きく改善したが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けていない18年度の水準には戻っていない。コロナ禍の影響が長期化したことで先行き不透明感が強まり、企業の信用力低下とともに貸倒引当金が急増したことが主因である。 一方で、粗利益および不良債権償却前業務損益はほぼコロナ禍前の水準を回復した。だが、粗利改善の主因は米国など主要先進国の大規模な金融緩和に伴う国際業務部門の利益拡大(資金調達費用の大幅減少)によるものだった。 国内部門の貸出金利回りは13年連続で低下し、銀行のコアの収益基盤である預貸ビジネスには改善の兆しがみられない。企業の倒産件数が今後増える可能性もあるだけに、金融システム安定維持(プルーデンス)の視点が引き続き重要である。 地域金融機関の経営基盤強化を後押しするために日本銀行が20年11月に導入を決めた「特別当座預金制度」の下で、今後、地方銀行・第二地方銀行には年間745億円の特別付利が追加的に支払われ、年間の最終利益を1割弱押し上げるとみられる。付利総額は信用金庫を含む地域金融機関全体で1,000億円に迫る見通し。地域金融機関は同制度を活用することで経営基盤を強化し、不良債権の償却負担に備えることが望まれる。

 

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