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Discussion Paper Discussion Paper 130 (2011.6)

[No.130] 株式投資収益率を再考する ――過大に計算されていた日本株の長期リターン

前田昌孝/主任研究員
   

2011/06/01

要 旨

 株式投資は短期的な値動きの変動は大きくても、銘柄を分散し、長期に保有すれば、資産形成につながりやすいといわれる。しかし、過去の長期収益率としてこれまで日本証券経済研究所が集計・公表してきたものは、計算過程に課題があり、実態よりも上振れしていた可能性が大きい。配当込み東証株価指数(TOPIX)を使って計算し直すと、過去58年間の投資収益率は従来推計を2.8%下回る9.1%にとどまり、1986年以降に投資を始めた場合には大半、元本割れになっていることが明らかになった。

▼ポイント▼ ・日本の株式市場の長期収益率は、これまで実態よりも過大に算出されていた ・株式投資を指数連動型で1986年以降に始め、2010年まで運用した場合は、配当収入を加えても元本を下回る年が大半 ・市場関係者だけでなく、政府も企業経営者も株式市場の厳しい実態の直視を