ここ数年、街中にある銀行の支店が減っている。ところが、閉鎖された店舗の大半は店舗内店舗(ブランチ・イン・ブランチ)として別の店舗に引き継がれるため、統計では現存する店舗の実態がつかみにくい。本リポートでは、全金融機関の店舗所在地から2店舗間の距離を測り、これまでブランチ・イン・ブランチ方式で進んできた店舗統廃合の実態をつかむ。店舗間の距離など地理的な特徴から、店舗配置の決定要因や、再編が進む地方銀行と第二地方銀行でどの程度店舗の統廃合が進んでいるのか、それによって経費をどのくらい削減しているのか、また、将来、地域銀行に店舗を統合する余地がどれだけ残されているのかを探る。さらに、新たな地銀再編の形として注目されるインターネット金融大手SBIホールディングスとの資本提携について、イベントスタディの手法を用いて市場の評価を定量的にとらえる。
実店舗数は17年度以降、地域銀行で減少している
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