一覧へ戻る
Discussion Paper Discussion Paper 126
(2009.12)
[No.126] 日本経済研究センターCGEモデルによるCO2削減策の分析 ――「温暖化タスクフォース」で用いたモデルに関する技術ノート
2009/12/01
要 旨
日本経済研究センターは、昨年度の「中期目標検討委員会ワーキンググループ」に引き続き、温暖化ガス排出抑制策の経済影響などを検討する「地球温暖化問題に関する閣僚委員会 タスクフォース」に加わった。同タスクフォースの中間取りまとめでは、新政権が表明した「2020年の温暖化ガスを90年比25%減」とするケースについていくつかの設定で試算を行った。本稿は、当センターが試算に用いたCGEモデル(応用一般均衡モデル)を、技術的な側面に重点を置いて紹介するものである。
本モデルは、前中期委員会版モデルと以下の点で異なっている。(1)マクロフレーム見直しの一環として基礎データを2000年産業連関表から2005年表に更新し、BAU(Business As Usual,自然体ケース)を設定し直した、(2)再生可能エネルギーが全体の1割を占めるという「政策シナリオ」を基に分析ができるようにした、(3)排出権収入を温暖化対策への財政支出に回す「グリーン投資・グリーン消費」シナリオに対応した――などの点である。このほか、同タスクフォースでは利用しなかったが、太陽光発電を電力会社が有利な条件で買い取る「フィードインタリフ」の分析が出来るオプションを組み込んだ。
前回と同様、本モデルに利用したデータおよびプログラムを本ページ内で公開する。データセットの作成がより透明になるよう、産業連関表からのデータ作成工程も加えた。同工程について詳しく解説したのも本稿の特徴の1つである。
キーワード:日本の温暖化対策、応用一般均衡分析、温室効果ガス削減の中期目標
バックナンバー
- 2022/05/30
-
[No.154] ESG Management and Credit Risk Premia: Evidence from Credit Default Swaps for Japan’s Major Companies
- 2021/08/24
-
[No.153] Comparing the Earned Income Tax Credit and Universal Basic Income in a Heterogeneous Agent Model
- 2021/05/24
-
[No.152] Nowcasting Japanese GDP using targeted predictors
- 2021/03/12
-
[No.151] コロナ禍はパート・アルバイト雇用をどう変えたか ―オルタナティブデータによる分析―
- 2020/01/24
-
[No.150] Enhancing infrastructure connectivity in Vietnam under Japan’s Free and Open Indo-Pacific Strategy versus China’s Belt and Road Initiative