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中国統計 統計で見る中国経済 (12月)

10~12月期成長率は一段と減速 4.0%に 

――通年は8.1% 輸出がけん引、投資・消費は低迷

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2022/01/17

 中国の第4四半期(10~12月)の実質経済成長率は前年同期比で4.0%と前の期(7~9月)より0.9ポイント低くなった。ニュースサイト、財新網による事前のエコノミスト予想(3.7%)は上回ったが、6四半期ぶりの低い伸びだ。足元の中国経済は消費が一段と低迷しているうえ、公共投資も盛り上がらず、輸出頼みの構図となっている。 2021年通年の成長率は8.1%。2011年以来の高い伸びだが、新型コロナウイルスの影響で減速した20年の反動であり、20、21年の平均値の対19年比の伸び率は5.1%と、5%割れ寸前の水準だった。22年の中国経済は反動も薄れるため、5%成長を維持できるかがポイントとなりそうだ。 2021年末時の総人口は14億1300万人で、前年末から48万人増えた。21年の出生人口は1062万人、普通出生率は0.752%と建国以来、最低だった。

概要

  1. 実質経済成長率 :10~12月期、前期比ではやや加速
  2. 固定資産投資と不動産開発投資 :投資盛り上がらず、4.9%の伸び
  3. 輸出入 :21年の貿易黒字、過去最大に
  4. 工業生産 :3カ月連続で前月の伸びを上回る  
  5. PMI :景況感、2カ月連続で50超え
  6. 社会消費品小売総額 :消費の低迷が一段と色濃く
  7. 消費者・卸売物価指数 :PPI、通年は8.1%と高い伸びく
  8. 新築住宅価格動向(前月比) :全体の7割は依然として下落

☆トピックス :中国の2021年の新車販売、4年ぶりにプラスに~EVがけん引
          :2021年の映画収入、コロナ前に戻らず
☆主要経済統計:バックデータ

※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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