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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「2022年、注目のユニコーン都市」 (2)

米国3都市、コロナ禍で医療系が拡大

―NYはデジタル医療、ボストン・サンディエゴは創薬

上原 正詩
  主任研究員

2022/02/21

 ユニコーンを輩出する世界の都市トップ20のうち、潜在力が高いと評価された10都市を中心に、そのスタートアップ生態系の現状をレポートする。各都市のスタートアップと、ベンチャーキャピタル(VC)など投資家の出資関係をネットワーク・グラフで解析した。資金供給で中心的な役割を果たしているVCや、多くのVCから出資を受けている注目のスタートアップをピックアップした。今回は医療系スタートアップが集積し、ユニコーン輩出潜在力で上位となったニューヨーク、ボストン、そして西海岸のサンディエゴを紹介する。コロナ禍で医療系への投資が拡大しており、3都市はその恩恵を受けたとみられる 。

【ポイント】

  1. ユニコーン輩出潜在力トップのニューヨークではデジタル医療系のスタートアップの集積が目立つ。ローマン・ヘルス・ベンチャーズ(ロー)などで、ニューヨークを拠点とするVCが地元のスタートアップを支援する。
  2. 潜在力3位のボストンは医薬品開発を手掛ける創薬系スタートアップが集まる。脳疾患治療薬開発のニューモラなどだ。地場のゼネラル・カタリストやポラリス・パートナーズなどがバイオ企業を支援する。
  3. サンディエゴ(同17位)もバイオ・創薬系の集積で注目される。地場のVCではなくベイエリアやボストンのVCが活躍する。遺伝子解析装置開発のエレメント・バイオサイエンシズなどが注目だ。