シリーズ企画【2】の米国3都市(ニューヨーク、ボストン、サンディエゴ)に続き、【3】では米国4西海岸都市のスタートアップ生態系を紹介する。ユニコーン輩出潜在力で5位となったロサンゼルス、8位のシリコンバレー、9位のシアトル、そして企業数トップで潜在力11位のサンフランシスコである。潜在力で二ューヨーク、ボストンの東海岸2都市の後塵を拝したものの、いずれも世界をリードするスタートアップ輩出都市である。ビッグテック5社(グーグル、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、アップル、マイクロソフト)や電気自動車のテスラなどが本拠地を構え、テック人材も多く集まる。
【ポイント】
- 潜在力5位のロサンゼルスはスペース・エックスなどロケット開発などを手掛ける宇宙系スタートアップと、仮想空間「メタバース」関連などゲーム系スタートアップが集まり、今後の成長に期待がかかる。
- 8位のシリコンバレーはソフト系スタートアップが集積する。自動運転シミュレーターなど人工知能(AI)・ビッグデータ関連企業が注目である。
- 9位のシアトルもソフト系が多く、営業活動を支援するソフト開発会社が目立つ。また倉庫サービスやトラック・荷主仲介サービスなど物流系も多くのVCが出資する。
- 企業数1位で潜在力11位のサンフランシスコはソフト系に加え、金融、医療、メディアでも多くのスタートアップを抱える。YコンビネーターなどベイエリアのVCを生態系の中心にして、ビジネス支援系ソフト企業への投資が活発である。
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