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経済百葉箱 第162号

設備投資、企業物価高によって増勢鈍化へ

― 「新潮流」投資を促進する税財政措置を ―

小花利輝、坂井遼太郎、白石尚之、細谷香穂、水ノ上博一 <監修>短期経済予測主査:稲葉圭一郎、総括:松尾朋紀
   

2022/03/25

▼ポイント▼

          • わが国設備投資は、20年7-9月期を底にコロナ禍から緩やかに回復している。ただし、その回復度合は、V字回復を遂げた米国比ではかなり弱い。
          • 21年度は、当初、デジタル化や脱炭素といった「新潮流」関連の設備投資の活発化を見込む好材料が揃っていた。しかし、結果として同年度の設備投資は低調だった。コロナ禍の悪影響として人手不足や物流停滞が生じ、それに伴い資材・部品の供給難が発生したためだ。
          • 22年度は、ウクライナ危機のもとで生じている鉱物・食糧資源価格の上昇が、企業物価の押し上げ、企業利益の押し下げを通じて、設備投資意欲を減退させ得る。また、供給難の持続により、設備投資の需要実現が阻害される。ウクライナ危機の長期化や中国のゼロコロナ策はさらなる下振れリスク要因だ。
          • 今後は、設備投資の低迷を回避するよう、「新潮流」案件の加速を誘発する税財政措置が現時点から必要となる。また、やや長い目でみると、「新潮流」対応人材の不足が投資案件組成の不発や経営決断の回避につながるリスクがある。このリスクを抑制する上で、官民双方での人材育成に向けた取り組み強化が有益となるだろう。

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