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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「2022年、注目のユニコーン都市」 (6)

インド3都市、タイガーなど米系VCが中核に

―フリーチャージ創業者もエンジェル投資で活躍

上原 正詩
  主任研究員

2022/03/30

 インドは米国、中国に続くユニコーン大国で、同国のユニコーン輩出都市はバンガロール、ニューデリー、ムンバイの3都市である。ユニコーン数ではバンガロールが世界10位、ニューデリーが17位、ムンバイが20位となっている。インドのスタートアップに積極的に投資するのがタイガー・グローバル・マネジメント、セコイア・キャピタル・インド、アクセルの米国系ベンチャーキャピタル(VC)3社で、インドのスタートアップ生態系の中核部分を形成している。ユニコーン輩出潜在力ランキングではムンバイが16位、バンガロールが17位、ニューデリーが18位と、3都市とも下位に甘んじているが、そんな中、米国系VC3社などの積極投資でムンバイが勢いづいている。コロナ禍前にはユニコーンが皆無だったが、コロナ禍中に一気に11社が生まれた。以下、インド3都市のスタートアップ生態について紹介する。

【ポイント】

  1. インドは米国、中国に次ぐユニコーン大国で、バンガロール、ニューデリー、ムンバイの3都市がユニコーン数トップ20都市に入った。インドに積極的に投資しているのが、タイガー・グローバル・マネジメント、セコイア・キャピタル・インド、アクセルの米国系ベンチャーキャピタル(VC)3社である。
  2. 3都市は潜在力ではそれぞれ20都市中10位以下で下位に甘んじている。予備軍が相対的に少ないためである。そうした中、勢いがあるのがムンバイで、コロナ禍前にはユニコーンがゼロだったが、オンライン薬局ファーマイージーなど11社のユニコーンが誕生した。
  3. バンガロール、ニューデリーでも米国系3社が活躍しており、ほかに決済サービスのフリーチャージ創業者で、現在フィンテック系スタートアップのクレドのトップを務めるクナル・シャー氏もエンジェル投資家として存在感を増している。