中国の第1四半期(1~3月)の実質経済成長率は前年同期比で4.8%と、前の期(4.0%)より0.8ポイント上昇、事前の市場予想も上回った。1~2月は工業生産が好調だったほか、地方政府が計画を前倒ししてインフラ投資を加速させたことから、成長率は上向きとなったが、政府の年間目標である「5.5%前後」には届いていない。 3月単月では、生産が減速したほか、消費の減退が深刻に。新型コロナの影響から、社会消費品小売総額は前年同月比3.5%減と昨年7月以来のマイナスとなった。製造業購買担当者景気指数(PMI)も49.5と、景気判断の節目である50を5カ月ぶりに割り込んでいる。中国の成長率は年前半が高く次第に低減する傾向にある。コロナ禍が収束しないと、目標達成は極めて厳しい。
概要
- 実質経済成長率 :1~3月期、前期比は1.3%増
- 固定資産投資と不動産開発投資 :民間投資が減速、インフラ投資は拡大
- 輸出入 :輸入、1年7カ月ぶりのマイナス
- 工業生産 :操業難で前月から大きく減速
- PMI :景況感が悪化、5カ月ぶりに50割れ
- 社会消費品小売総額 :消費低迷が深刻、1年9カ月ぶりマイナス
- 消費者・卸売物価指数 :PPI、5カ月連続で伸び低下
- 新築住宅価格動向(前月比) :下落傾向がやや和らぐ
☆トピックス :3月の新車販売、3カ月ぶりにマイナス~新型コロナが影響
☆主要経済統計:バックデータ
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