5月の中国経済は4月に続き、冴えない動きとなった。主要統計をみると、社会消費品小売総額が3カ月連続のマイナスだったほか、工業生産もプラスには転じたが低水準が続く。より深刻なのが投資。政府は公共投資の前倒しを急ぐものの、主力の民間投資が伸び悩んでいるうえ、不動産はマンション建設などが停滞し、2カ月連続の減少となっている。主要31都市の失業率はさらに上昇、経済の減速が失業者の増大をまねく状況が改善されていない。 政府は景気テコ入れの一環として自動車減税などを打ち出した。新車販売はなおマイナスだが、6月以降のプラス転換が見え始めており、数少ない明るい材料となりそう。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :投資の減速続く、不動産はマイナス
- 輸出入 :輸出の伸びが回復、16.9%
- 工業生産 :プラスに転じるもなお低調
- PMI :3カ月連続の50割れも上向きに
- 社会消費品小売総額 :消費不振が深刻、ネット販売も低調
- 消費者・卸売物価指数 :CPI、前月と同じ2.1%の上昇
- 新車販売台数 :マイナス幅が縮小、需要に回復の兆し
- 調査失業率 :31都市平均、上昇続く
☆トピックス :PCR検査の常態化でGDP1.5%分の支出負担
☆主要経済統計 :バックデータ
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