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中国統計 統計で見る中国経済 (5月)

消費、3カ月連続のマイナス

――生産、投資もなお低調 失業率の上昇続く

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2022/06/15

5月の中国経済は4月に続き、冴えない動きとなった。主要統計をみると、社会消費品小売総額が3カ月連続のマイナスだったほか、工業生産もプラスには転じたが低水準が続く。より深刻なのが投資。政府は公共投資の前倒しを急ぐものの、主力の民間投資が伸び悩んでいるうえ、不動産はマンション建設などが停滞し、2カ月連続の減少となっている。主要31都市の失業率はさらに上昇、経済の減速が失業者の増大をまねく状況が改善されていない。 政府は景気テコ入れの一環として自動車減税などを打ち出した。新車販売はなおマイナスだが、6月以降のプラス転換が見え始めており、数少ない明るい材料となりそう。 

概要

  1. 固定資産投資と不動産開発  :投資の減速続く、不動産はマイナス
  2. 輸出入  :輸出の伸びが回復、16.9%
  3. 工業生産  :プラスに転じるもなお低調
  4. PMI  :3カ月連続の50割れも上向きに
  5. 社会消費品小売総額  :消費不振が深刻、ネット販売も低調 
  6. 消費者・卸売物価指数  :CPI、前月と同じ2.1%の上昇
  7. 新車販売台数  :マイナス幅が縮小、需要に回復の兆し
  8. 調査失業率 :31都市平均、上昇続く

☆トピックス  :PCR検査の常態化でGDP1.5%分の支出負担
        
        

☆主要経済統計  :バックデータ

※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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