中国の第2四半期(4~6月)の実質経済成長率は前年同期比で0.4%と、前の期(4.8%)より4.4ポイントも下落、有力ニュースサイトの財新網がまとめた主要エコノミストの事前予想(平均値=0.8%)も下回った。期中に上海市など大都市で都市封鎖が行われ、経済活動が止まったことが大きく影響した。6月になって封鎖が解除され、単月では工業生産や社会消費品小売総額などはプラスに転じたが回復力は弱い。輸出が5月以降、2ケタ増が続いたのは明るい材料だが、米国の景気が減速すれば年後半にブレーキがかかる恐れもある。 国家発展改革委員会は14日の記者会見で「経済は下半期には回復していく」との見通しを示した。どこまで回復できるかは疲弊した消費が立ち直るかどうかにかかっているが、通年の政府目標(5.5%)達成は厳しい状況だ。
概要
- 実質経済成長率 :4~6月期、前期比は2.6%減
- 固定資産投資と不動産開発投資 :民間投資減速続く、不動産はマイナス
- 輸出入 :輸出、2ケタの伸び続く
- 工業生産 :封鎖解除で伸び率はプラスに
- PMI :景況感が改善、4カ月ぶりに50超え
- 社会消費品小売総額 :4カ月ぶりにプラスも盛り上がり欠く
- 消費者・卸売物価指数 :CPI、2年ぶりの高い伸び
- 新築住宅価格動向(前月比) :下落傾向がやや和らぐ
☆トピックス :1~6月の新車販売は6.6%減、BYDが新エネ車でテスラ超え
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☆主要経済統計:バックデータ
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