7月の中国は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、経済活動の本格回復が期待されたが、多くの統計は低調なままだった。特に内需の弱さが際立っており、政府の補助政策を受け好調だった自動車販売を除くと、小売総額は1.9%増に止まった。7月になって豚肉など食品価格の上昇が目立ち始め、消費の足をさらに引っ張った形だ。工業生産も振るわないほか、政府のテコ入れ策にもかかわらず、不動産販売が相変わらず低調。それに応じて投資の減速も続く。 政府は年後半に経済を回復させ成長率の底上げを図る思惑だが、好調な輸出を除くと、想定以上に回復力は弱く、有効な政策手段の余地も狭まってきた。まずは不動産部門を立て直さないと、明るい展望は見込めない状況にある。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :投資の減速続く、不動産はマイナス
- 輸出入 :輸出、2ケタ増が続く
- 工業生産 :伸び横ばい、本格回復遠く
- PMI :2カ月ぶりに50割れ
- 社会消費品小売総額 :消費の不振続く、ネット販売も低調
- 消費者・卸売物価指数 :CPI、食品の上昇目立つ
- 新車販売台数 :2カ月連続で20%台の高い伸び
- 新築住宅価格動向 :再び「下落」した都市が増加
☆トピックス :4~6月期の香港はなおマイナス成長、台湾もやや減速
☆主要経済統計 :バックデータ
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