8月は猛暑に伴う電力不足から工業生産の停滞が懸念されたが、それ以上に各地でのコロナ禍からの回復が大きく、生産や消費の伸び率は7月を上回る結果となった。社会消費品小売総額は飲食が好調で市場の事前予想より高い上昇率に。ただ、国内の回復基調に水を差すように、輸出は7.1%増と、伸び率が前月から10.9ポイントも縮小。世界経済の成長鈍化が中国に暗い影を投げる。不振が続く不動産業も明るさは見られない。住宅価格の下落傾向が止まらず、投資もマイナス基調から抜け出せないままだ。基幹産業の低迷を受け、16~24歳の失業率は18.7%と依然、高水準にある。 政府はインフラ投資を拡大させ景気のテコ入れを続けるものの、9月に入って各地でコロナ禍が再発していることもあり、下半期に成長を加速させられるかどうかは、なお不透明だ。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :不動産、5カ月連続のマイナス
- 輸出入 :輸出の伸びが急減速
- 工業生産 :伸び率がわずかに回復
- PMI :2カ月連続の50割れ
- 社会消費品小売総額 :消費はやや上向く、飲食がプラスに
- 消費者・卸売物価指数 :CPI、食品の上昇目立つ
- 新車販売台数 :3カ月連続で20%を超える高い伸び
- 新築住宅価格動向 :「下落」傾向が止まらず
☆トピックス :製造業の総利益の伸びがマイナスに~外資の低迷目立つ
☆主要経済統計 :バックデータ
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