中国の第3四半期(7~9月)の実質経済成長率は前年同期比で3.9%と、前の期(0.4%)より3.5ポイント上昇、有力ニュースサイトの財新網がまとめた主要エコノミストの事前予想(平均値=3.6%)も上回った。前の期はマイナスが続いた消費が今期はやや持ち直したほか、インフラ投資が景気を下支えしたとみられる。ただ、1~9月の累計の伸び率は3.0%増に止まり、通年でも政府目標の5.5%成長には遠く届かないことが確実となった。 9月単月では不動産投資の減速が続いたほか、頼みの綱の輸出も1ケタの伸び。全国の失業率は5.5%と前月より悪化している。経済の不調が目立つことから、当局は共産党大会の会期中に予定していた統計発表を会期後に突然延期した。今後は習近平指導部の顔色をうかがう当局が正しい統計を公表し続けられるかも気になるところだ。
概要
- 実質経済成長率 :7~9月期、前期比は3.9%増
- 固定資産投資と不動産開発投資 :不動産のマイナス幅拡大止まらず
- 輸出入 :輸出、1ケタの伸び続く
- 工業生産 :封鎖解除で伸び率上向く
- PMI :景況感はやや改善、3カ月ぶり50超え
- 社会消費品小売総額 :飲食が再びマイナス、盛り上がり欠く
- 消費者・卸売物価指数 :CPI、豚肉高騰で2年半ぶりの高い伸び
- 新車販売台数 :4カ月連続で前年実績超え
☆トピックス :国慶節の大型連休も消費は盛り上がらず
☆主要経済統計:バックデータ
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