10月の経済統計は景気の減速感が一段と色濃く表れた数字が多かった。けん引役を務めてきた輸出は2年半ぶりの前年実績割れ。欧米向けがいずれも減少しており、世界経済の停滞が中国に影響し始めた。内需も相変わらず冷えている。消費は国慶節に伴う大型連休の商戦が振るわず、飲食も大きく落ち込んだまま。投資は政府のテコ入れで公共関連が伸びたが、主力の民間投資は減速が続き、不動産投資もマンション販売の低迷が止まらず7カ月連続のマイナスとなった。 新型コロナの感染者数が10月後半から増え始めており、各地で再び移動制限が始まっている。ゼロコロナ政策が緩和されない限り、経済の先行きに明るさは見えそうにない。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :不動産、7カ月連続のマイナス
- 輸出入 :輸出が2年半ぶりのマイナス
- 工業生産 :伸び率が鈍化、PCなどマイナスに
- PMI : 5カ月ぶりに50割れ
- 社会消費品小売総額 :消費が再びマイナスに、飲食も苦戦
- 消費者・卸売物価指数 :PPI、2年ぶりにマイナス
- 新車販売台数 :販売増にブレーキ、伸び鈍る
- 外貨準備高 :7カ月連続で前年実績割れ
☆トピックス :中国、自動車輸出が好調~1~9月で昨年実績上回る
:7~9月期の香港、マイナス成長が加速~台湾は上向く
☆主要経済統計 :バックデータ
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