11月の中国経済は新型コロナウイルスの感染拡大で、一段と厳しい状況となった。行動制限などにより消費が大きく落ち込み、生産も伸び率の鈍化が著しい。不動産投資は大きく冷え込んだままで、金融引き締めに伴う欧米経済の減速を受け、輸出も前年同月比8.7%減とマイナス幅が拡大した。中国が抱える足元の懸案がすべて悪化した形だ。当面の経済のけん引役が見当たらないため、景況感も改善する様子がない。雇用情勢も深刻。主要31都市の調査失業率は6.7%と、5月以来の高水準に達した。 政府は限界に来ていた「ゼロコロナ政策」を12月に入って大幅に緩和した。現時点では急激な政策変更に伴う混乱の方が目立つが、いずれはもたらされる経済活動へのプラス効果がどの程度になるのかが注目される。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :不動産、8カ月連続のマイナス
- 輸出入 :輸出のマイナス幅が拡大
- 工業生産 :伸び率が一段と鈍化、外資はマイナス
- PMI : 景況感、一段と悪化
- 社会消費品小売総額 :消費の減速止まらず、飲食は厳しい状況
- 消費者・卸売物価指数 :内需減退で落ち着いた動き
- 新車販売台数 :6カ月ぶりのマイナスに
- 新築住宅販売動向 :5カ月ぶりに「上昇」が増加
☆トピックス :中国、製造業の収益悪化続く
:コロナ禍で婚姻数が大きく減少~人口減の要因にく
☆主要経済統計 :バックデータ
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