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中国・アジアウォッチ

シンガポール、米中対立で長期見通しに暗雲

――保護主義の高まり警戒、自国企業の育成急務に

奥津 茜 研究生
   
 

2023/03/10

 貿易国家のシンガポールは、世界経済鈍化の影響を格段に受けやすい。グローバル化の恩恵を受けて発展してきたからこそ、各国の保護主義的な政策や地政学リスクも長期的には大きなリスクだ。先行きや課題は現地からどう見えるか。エコノミストらに聞いた。

【ポイント】

  1. シンガポールは地域の物流・経済ハブとして、自由貿易と開放経済をベースに発展してきた。世界の経済情勢やシンガポールの今後の見通しについて、現地のエコノミストらに聞いた。
  2. 2023年のシンガポール経済は半導体需要の縮小や世界経済鈍化の影響を強く受け、減速する見通しが強い。ただし周辺のアジア経済の成長の恩恵などを見込み、楽観視する声が多かった。
  3. 国土や人口などの資源が限られる中、長期的な成長に向けては課題がある。持続的な成長にはデジタル化や技術革新、高スキル人材の確保が欠かせない。米中対立などで世界的に強まる保護主義的な動きにも危機感が募る。

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