ゼロコロナ政策が解除され、経済の回復が待たれる中国だが、2月の統計は力強さに欠けるものがなお多かった。輸出入はともに5カ月連続で前年実績割れとなり、輸出比率が高い外資系や民営企業を中心に工業生産は回復力が弱いままだ。例年は年初に大きく上昇してきた固定資産投資の伸び率も昨年平均から0.4ポイントしか上向いていない。民間投資が低調なためだ。企業活動の鈍さを反映して、2月の都市部の平均調査失業率は前月から0.1ポイント上昇して5.6%となった。 行動制限がなくなったため、飲食業は売り上げを大きく伸ばした一方、自動車や家電などの耐久消費財の販売はマイナスが続く。注目される不動産業は住宅販売価格が上向き傾向にあるほか、不動産投資も回復の兆しがある。中国の景気回復はなおばらつきが目立つ状態だ。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :不動産、マイナス幅が大きく縮小
- 輸出入 :輸出が5カ月連続のマイナス
- 工業生産 :回復力鈍い、外資はマイナス続く
- PMI : 景況感が大きく改善
- 社会消費品小売総額 :消費の回復にはばらつき、飲食好調
- 消費者・卸売物価指数 :内需低迷で物価の伸び鈍化
- 新車販売台数 :1~2月はマイナス続く
- 新築住宅販売動向 :住宅価格の「上昇」が持続
☆トピックス :対中直接投資、2022年下半期は急ブレーキ
☆主要経済統計 :バックデータ
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