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中国・アジアウォッチ

23年は低めの「5%前後」成長目指す

――3期目の習政権、経済回復への熱意も低い?

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2023/03/06

 中国で3月5日、全国人民代表大会(全人代)が開幕した。退任が決まっている李克強首相は初日の政府活動報告において、2023年の経済成長率目標を「5%前後」とした。22年の実績値(3.0%)よりは高いが、政府目標としては2年連続で前の年より低い設定となった。3期目に入った習近平政権は経済情勢の厳しさを強く認識しており、成長目標はあえて控えめな数字とし、目標の未達という失態だけはなんとしても避けたい考えのようだ。

中国のGDP成長率と政府目標の推移

【ポイント】

  1. 中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕し、2023年の成長率目標は「5%前後」とされた。22年の目標(5.5%前後)より低い、控えめな目標といえる。
  2. 昨年秋の党大会を経て、異例の3期目入りを果たした習近平政権にとって、今年は新体制の初年度にあたり、経済成長の目標割れだけは絶対に避けたい。財政や金融政策を駆使して、景気対策に力を入れるとみられる。
  3. ただ、全人代で李克強首相が発表した政府活動報告は、例年になく内容に乏しかった。米中対立や不動産業の不振など内外に問題を抱える中国が、たとえ控えめな目標とはいえ達成できるかどうか、なお予断は許さない。


本リポートに連動して、当センターの会員向けに、3月5日に李克強首相が演説した政府活動報告全文の日本語訳も掲載しております。ご参照ください。

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