中国の第1四半期(1~3月)の実質経済成長率は前年同期比で4.5%と、前の期(2.9%)から1.6ポイント上昇し、市場の事前予想(有力サイト、財新網=3.8%)も大きく上回る伸び率となった。国内では民間の設備投資や不動産開発投資が依然として低調で、工業生産の回復も緩慢なままだったが、3月はゼロコロナ規制が撤廃されたことから飲食を中心に消費が急速に回復。外需も伸び、輸出が半年ぶりにプラスの伸びに転じたこともあって、成長率は予想を超える水準となった模様だ。住宅販売にも底打ち感が出ており、通年で5%成長を目指す中国政府にとっては、まずまずのスタートといえる。 4~6月期は一段の成長加速を予想する向きは多いが、一方で物価の動きは低位のままであり輸入も伸びていない。4月以降、内需の力強さがどこまで戻るかが成長加速のカギとなろう。
概要
- 実質経済成長率 :1~3月期、前期比は2.2%増
- 固定資産投資と不動産開発投資 :低調な動きが続く~民間投資回復せず
- 輸出入 :輸出が半年ぶりにプラスに
- 工業生産 :緩やかな回復基調
- PMI :景況感、回復ペースがやや鈍化
- 社会消費品小売総額 :1年9カ月ぶりの2ケタの伸びに
- 消費者・卸売物価指数 :低水位の動き続く
- 新築住宅販売動向 :販売価格の上昇続く
☆トピックス :新車販売、3月は9.7%増~回復傾向が続くかは不透明
☆主要経済統計:バックデータ
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