東南アジアの中でも経済発展が遅れている小国、ラオス。人口が730万人と少ないだけでなく、多くの山々が連なり、東南アジアで唯一海のない利便性の悪さが、発展の足を引っ張ってきた。ラオスのような内陸国は英語で言うと「land-locked country」、つまり陸に閉ざされた国といわれる。だが、ここへきて状況が変わりつつある。変化の起爆剤となりそうなのは鉄道だ。……
【ポイント】
- 首都ビエンチャンと中国を結ぶ高速鉄道が2021年末に完成して1年あまり。コロナ禍の影響があってもラオスでの乗客数は1月までに150万人を超えた。これまで鉄道がなかったラオスで高速鉄道は非常に人気が高い。
- 第二弾として、ラオスが使用権を持つベトナムのブンアン港とビエンチャンを結ぶ高速鉄道の建設をラオス政府は計画。早ければ2025年にも着工の見込み。海のない内陸国に世界へ通じる新しい道が開かれることになる。
- ラオスの経済は観光や輸出を中心に発展が期待できそう。ただ、タイやシンガポールにつながる「汎アジア路線」の整備は遅れている。市場も産業も小さいラオスがどう需要を増やしていくかには課題が残る。
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Transforming Laos through a high-speed railway to China
― A landlocked country is set to become a “world-linked” country
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