中国の第2四半期(4~6月)の実質経済成長率は前年同期比で6.3%と、コロナ禍で振るわなかった昨年の反動から、前の期(4.5%)からは1.8ポイント上昇したが、市場の事前予想(有力サイト、財新網=7.0%)は大きく下回る結果となった。5、6月と輸出が減少したほか、マンション販売の不振から不動産投資もマイナスとなり、期待されたほど成長率は伸びなかった。企業の業績不振から新卒者の就職が難しく、若年層の失業率は過去最悪の状態が続く。 経済の先行きを占うPMIも6月は3カ月連続の50割れだった。政府は利下げによる景気刺激に乗り出したが効果は限定的とみられる。中国の研究機関は通年目標の5%成長達成に向け大型の財政政策の実施を呼びかけるが、指導部はどう判断するか。中国経済は大きな岐路に差し掛かっている。
概要
- 実質経済成長率 :4~6月期、前期比は0.8%増
- 固定資産投資と不動産開発投資 :低調な動き続く~不動産、マイナス拡大
- 輸出入 :輸出が大きく減少
- 工業生産 :外資系はマイナス1.4%
- PMI :3カ月連続の「50」割れ
- 社会消費品小売総額 :伸び率が急減速、1ケタに逆戻り
- 消費者・卸売物価指数 :CPIがマイナス目前に
- 新築住宅販売動向 :販売価格の下落が再加速
☆トピックス :新車販売、1~6月は9.8%増~輸出がけん引、内販は振るわず
中国共産党員、9800万人超えるも伸び鈍化
☆主要経済統計:バックデータ
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