8月の中国経済は依然として低迷が続き、主要統計も冴えない数字が並んだ。景気回復のカギとなる不動産市場では政府のテコ入れ策にもかかわらず販売の減少続き住宅価格の下落傾向が止まらない。不動産投資はマイナスが続き、投資全体も緩やかに減速している。頼みの輸出は欧米やアジアの需要が伸びず、4カ月連続のマイナスと振るわなかった。
消費と工業生産はわずかに回復したが、経済のけん引力は弱い。企業の景況感は内需、外需の低迷を受けて、5カ月連続で景気判断の節目である50を下回った。
中国の報道によると8月以降、各地方政府が集中して重大プロジェクトを始動させるなど財政出動が本格化する見込み。それがどこまで効果を表すか、10月に発表される7~9月の経済成長率が注目される。
概要
- 固定資産投資と不動産開発 :投資の減速続く、民営企業はマイナス
- 輸出入 :輸出が4カ月連続のマイナス
- 工業生産 :伸び率がやや回復、外資系は不振続く
- PMI :5カ月連続の50割れ
- 社会消費品小売総額 :消費は2カ月ぶり上向く~地方が好調
- 消費者・卸売物価指数 :CPI、3カ月ぶり上昇もデフレ懸念続く
- 新車販売台数 :2カ月ぶりのプラス、8.4%増
- 新築住宅販売 :価格の下落傾向止まらず
☆トピックス :中国の地方都市が相次ぎ住宅購入制限を撤廃
☆主要経済統計 :バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
キーワード
バックナンバー
- 2023/09/15
-
住宅価格の下落止まらず、輸出のマイナス続く
- 2023/08/15
-
景気減速、鮮明に 輸出・消費・投資とも振るわず
- 2023/07/18
-
4~6月成長率は6.3%にとどまる
- 2023/06/15
-
景気回復、足取り重く~投資、輸出とも減速
- 2023/05/16
-
昨年の反動、消費が大幅増に