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日本経済研究センターは日本企業のアジアに対する強い関心にお応えするため、2015年度から新たに「アジア経済予測(短期)」を年2回(1月、7月)、ホームページ上で発表します。対象国は中国およびインドネシア、タイ、マレーシア、フィリピンのASEAN4カ国です。GDPを中心にした各種指標を通じて各国経済の現況や短期見通しを紹介するとともに、注目すべきトピックスもグラフを使って分かりやすく解説します。みなさまのビジネスの参考となれば幸いです。また、今秋にはアジア経済の中期予測も報告書として発刊の予定です。

第4回アジア経済短期予測:中国・ASEAN4(16年4-6月期〜18年1-3月期)

Brexitで不透明感増すアジア経済 マレーシアは16年4.1%に減速
―各国、金利引き下げで景気刺激へ―

2016年7月27日発表
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主査:上原正詩・主任研究員
総括:田原健吾・副主任研究員
執筆者:南毅・日本経済研究センター研究生 、茂木洋之・研究員 、中島裕紀子・日本経済研究センター研究本部

中国およびASEAN4カ国(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン)の合計5カ国を対象にした「アジア経済短期予測」を発表しました。

【中国・ASEAN4の現況と見通し】
 英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit=ブレグジット)を受けてアジア経済の不透明感が増している。足元では為替、株価とも大きな影響は出ていないが、実際に離脱が近づくにつれ金融市場や貿易を通じて、成長押し下げ要因となる。中国経済は2015年に続き16年も減速する見通しで、中国経済減速の影響もありASEAN主要4カ国の経済も15年並みの成長にとどまる。中でもマレーシアはBrexitや中国減速の影響を受ける可能性が対象国の中でも最も大きく、16年は実質国内総生産(GDP)の成長率が4.1%に落ち込む見通し。アジア各国は利下げなど金融緩和策を一層強化する見通しだ。




 中国は16年前半は不動産投資が成長を下支えしたが、これまで景気を牽引してきた設備投資が過剰設備・債務の影響で伸び悩むため16年成長率は6.5%に鈍化。17年はBrexitで欧州経済が落ち込むなどの影響もあり、さらに伸び率が低下する。

 マレーシアはASEAN4カ国の中で英国及びEU向けの輸出比率もGDP比7%弱と最も高い。また、英国の銀行からの与信額や英国への直接投資額が最も大きく、Brexitのマイナスの影響に加えて中国減速の影響も大きいとみられることから16、17年とも低成長が見込まれる。

 タイも中国の成長鈍化を受けて輸出が低迷。16年は輸出以上に輸入が落ち込むため純輸出増となり前年より微増。国内における政治リスクが高まる中、総選挙が見込まれる17年は16年よりもやや成長が鈍化するとみられる。

 外需依存度の低いインドネシアは民間消費など内需が安定して伸びる。ジョコ・ウィドド政権の安定は円滑な規制緩和の実行につながり、経済成長を後押しすることから16、17年とも更なる伸びが期待される。

 6月末に発足したドゥテルテ政権に期待がかかるフィリピンは、旺盛な内需を背景に消費が拡大し、16、17年は15年よりも高成長を維持。政府もインフラ投資を加速する方針で、大統領が打ち出す外資誘致策などの経済政策が注目される。

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アジア経済短期予測 2016年7月号(概要)アジア経済短期予測 2016年7月号(概要)

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【お知らせ】

※7月28日付の日本経済新聞朝刊 国際面に関連記事が掲載されました。

※7月27日 Nikkei Asian Reviewウェブサイトに記事が掲載されました: Forecasts show Brexit weighing on Asia - Malaysia in particular


【アジア経済中期予測】

第1回アジア経済中期予測:中国・ASEAN4(2015.6.30.)

Asia Shaken by the China Risk -- Economic Integration and Reforms Needed for Sustainable Growth (※中期予測報告書英文サマリー 2015.7.17.)

【研究リポート】


「統計で見る中国経済(16年6月) 進む構造転換、消費主導の経済に―規制の効果、住宅高騰には一服感も」 (湯浅健司 2016.7.21.)

「制裁対応探る北朝鮮 自力更生の戦略打ち出す−金正恩体制が完成、中朝関係に変化の芽」 (伊集院敦 2016.7.21.)

経済百葉箱 第87号 「ミンダナオ、比経済の新成長拠点になるか ―新大統領就任で脚光 農業集約、新産業に成長余地」 (南 毅 2016.7.19.)

「フィンテック in 香港(下) 官民のインキュベーターが活躍−スタートアップ企業を吸引」 (上原正詩 2016.6.13.)

「フィンテック in 香港(上) 交流イベントに世界から500人超集結−中国企業が先導するサービス革新」 (上原正詩 2016.6.10.)

「制裁強化で北朝鮮の外貨獲得に打撃―東南アジアでも攻防、カギ握る中国」 (伊集院敦 2016.4.6.)

「資源安で産出国から1.3兆ドルの所得移転効果―消費国へ負の影響もたらす面も―」 (田原健吾 2016.2.17.)

アジア研究報告書「北朝鮮リスクと日韓協力」 (2016.1.7.)

経済百葉箱 第87号 「フィリピン経済、出稼ぎと事業受託を源に高成長維持―歯止めが必要な人材の海外流出―」 (南毅 2016.1.7.)

経済百葉箱 第83号 「中国の真の実質GDP(Real Real GDP)を探る」 (松岡秀明、南毅、田原健吾 2015.9.28)
(English version: China's True Growth Rate: Is It Really 7%?)


※その他、アジアに関する情報は「中国・アジアウォッチ」に。

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