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長期経済予測(2006〜2050年)

人口が変えるアジア
−2050年の世界の姿−

2007年1月17日発表

主査:小峰 隆夫・経済分析部主任研究員、法政大学教授
総括:可部繁三郎・アジア研究部次長兼経済分析部主任研究員

日本経済研究センターは、人口の変動を軸として2050年までを見通した長期世界経済予測を行った。特に、アジアを中心に「経済が人口に及ぼす影響」「人口が経済に及ぼす影響」を考慮したのが大きな特徴である。主な予測結果は次の通りである。
 第1に、アジア地域では「雁行形態型の人口変動」が生じる。先頭は日本。続く第2グループが韓国、シンガポール、タイ、中国など。第3グループがタイ以外のASEAN諸国、インド。この順番で少子化、高齢化、労働力人口の減少が進むことになる。2050年時点でアジアの労働力人口はマイナス成長か1%未満の伸びにとどまる。
 第2に、人口の激変が、アジア諸国の経済成長に大きな影響を及ぼす。アジアの国々では次々に労働力人口が減少(または伸びの鈍化)局面に入り、高齢化が進展するため貯蓄率も低下する。このため第2グループの国々は、2010代年以降、第3グループの国々も2020代年以降成長率が鈍化していく。世界の成長センターアジアは、人口変動によって大きな転機を迎えることになる。
対照的なのは中国とインド。中国は、人口の減少が急速に進み、2010年代からは労働力人口も減少し始める。このため、成長率は次第に鈍化し、2040年代には1%程度の成長となる。一方、インドは、出生率は低下していくものの、人口、労働力人口は増加を続ける。このため成長率は次第に鈍化すものの、2040年代においても3%弱の成長を維持する。
 第3に、2050年に至る世界の経済地図はかなりダイナミックに変化する。購買力平価(2000年基準実質)換算ドルベースで国際比較すると、中国のGDPは、2020年までにはアメリカを上回り世界一の経済大国となるが、次第に成長率が鈍化するため、2050年の時点では僅かながらアメリカに抜き返される。インドの経済規模は間もなく日本を上回り、その後も拡大を続ける。2050年時点では、アメリカ、中国のGDP規模は、日本の7倍以上、インドも3.8倍となる。
 今回の報告ではこうした動きを「人口ボーナス」から「人口オーナス」への動きとして捉えている。60年代以降のアジア諸国は、人口構成が成長に有利に作用する「人口ボーナス」期にあった。しかし、2010年代以降は順次、老年人口比率の高まりなどが成長の足かせとなる「人口オーナス(重荷)」期に入っていく。
 日本は人口雁行形態の先頭ランナーとして、女性や高齢者の活用や外資導入などで生産性を高め、人口オーナス下にあっても経済活力を失わないような新しい成長モデルを作っていく必要がある。

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