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読むゼミ

講演内容を文章に要約した抄録です。講演開催から2週間程度で掲載していますので、ご利用ください。
※読むゼミ原稿は、日経センター担当者が録音テープをもとにまとめ、講師のチェックを受けています。
※半年ごとにまとめて掲載しています。過去のセミナー(バックナンバー)は下の窓の「開催時期」から時期を選択いただき、ボタンを押すと表示されます。

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バックナンバー(開催時期)

2016年1月〜6月開催のセミナー

≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第10回
変容する量的・質的金融緩和
2016年6月30日(木) 開催  (掲載日:2016年7月20日)
日本経済研究センター
講師
池尾和人・慶應義塾大学経済学部教授
司会)菅野幹雄・日本経済新聞社編集委員兼論説委員
要旨
QQEでレジーム・チェンジは起こらず―財政・国債管理政策運営を長期志向型へ転換すべき
@量的・質的金融緩和(QQE)政策は、人々の期待に働きかけることで、経済の好循環をもたらすとされたが、その波及経路は不明確。レジーム・チェンジを引き起こそうとしたが、ショックのマグニチュードが不足し、果たせなかった。
Aマイナス金利政策自体は、戦術としてよく考えられたものである。しかし、量的緩和と相性が悪い、という根本的な問題がある。加えて、金融仲介機構を弱体化させる懸念がある。
Bヘリコプターマネー政策では、マネタリーベースの量を恒久的に増やすことになる。このような出口のない量的緩和は、物価水準が数倍になることを許容しない限り維持できない。
C現在の財政・国債管理政策運営は極めて短期志向になっており、持続可能性を欠く。長期志向型に変えていく必要がある。
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セミナー資料 (8/27から一般公開)
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≪連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第9回
実験的金融政策の評価と課題
2016年6月20日(月) 開催  (掲載日:2016年6月30日)
日本経済研究センター
講師
早川英男・富士通総研経済研究所エグゼクティブ・フェロー
司会)清水功哉・日本経済新聞社編集委員
要旨
QQEは財政規律の喪失を助長―貸出支援へのマイナス金利は有効
@量的・質的金融緩和(QQE)の最大の問題は、日本銀行が国債を大量に買い入れていることで市場機能が損なわれ、財政規律の喪失を招いていることである。10%への消費増税が17年4月から19年10月まで先送りされたことにより、日本は財政破たんに向けて一歩踏み出した。長期金利の急騰リスクを見据え、日銀は市場との対話を再建する必要がある。
Aマイナス金利政策は金融政策の選択肢を広げたという意味では評価できる。ただし長期金利が低下してイールドカーブがつぶれると、間接金融中心の日本や欧州では緩和効果が薄い。日銀が貸出支援スキームの金利をマイナス化すればイールドカーブを立てることができ、緩和効果が期待できるだろう。
B金融機関がマイナス金利政策に反発しているが、日銀が出口の局面で超過準備への付利を引き上げると、日銀には巨額の損失が発生する。損失補てんのために国民へ負担を求めるよりは、金融機関への付利支払いを抑えるために法定準備率を引き上げる方が政治的には常識的な選択だろう。その際に金融機関がこうむる収益への負の影響は、マイナス金利による影響より大きいだろう。
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≪シリーズ どうなる中国経済≫第1回
新常態への移行―軟着陸は可能か
2016年6月17日(金) 開催  (掲載日:2016年7月6日)
日本経済研究センター
講師
関志雄・野村資本市場研究所シニアフェロー
要旨
カギ握るイノベーション―民営企業の動きに注目
@中国は2011年を境に30年間続いた高度成長期から、「新常態」(ニューノーマル)とよばれる段階に入っている。人口高齢化や農村の余剰人口の消失など、労働力の過剰から不足への転換がその背景にある。それに伴って中国の潜在成長率は約10%から7%を下回る水準まで低下しているとみられる。
Aこの段階の中国経済の特徴として、経済成長率の低下以外に、所得格差の縮小など経済構造の改善が見られる一方、住宅バブルの発生などリスクも顕在化していることが挙げられる。中高速度の成長を維持するために、新しい成長エンジンとしてイノベーションが期待されている。
B新常態のもとでの経済政策として2015年から「供給側改革」が推進されている。この中でカギを握るのは国有企業の改革と民営企業の活力の発揮である。注目すべきは中国で世界的にも評価される民営のイノベーション企業が成長しつつあること、南部の深圳がイノベーションの中心地として浮上してきていることである。
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セミナー資料
<大阪>サービス経済化と都市・地域経済
2016年6月16日(木) 開催  (掲載日:2016年7月6日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
森川正之・独立行政法人経済産業研究所理事・副所長
高野哲彰(たかの てつあき)・日本経済研究センター研究員
要旨
サービス産業の生産性向上を―地理的な選択と集中、コンパクトシティ形成が重要
@日本経済は完全雇用下の低成長を続けている。潜在成長率が低いことが原因だ。成長率を引き上げるためには、GDPの7割を占めるサービス産業の生産性向上が不可欠である。
Aサービス産業の生産性を向上させるためには、1)スケールメリットを生かす、2)ITやAIの活用やサービス・イノベーションを推進する、3)事業のグローバル展開を図る、4)経営の質向上や企業統治メカニズムの確立に努める―などが有効だ。優れた企業の参入、非効率な企業の退出など新陳代謝を図ることも必要だ。
Bサービス産業は都市型産業という性格を持つ。立地する市区町村の人口密度が高いほど生産性が高くなるという「密度の経済性」が顕著だ。都市の経済集積を維持する「選択と集中」やコンパクトシティの形成が、日本全体の生産性向上にとって望ましい。「地域の外から稼ぐ」力のある産業が地域には必要である。
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セミナー資料@(森川氏)
セミナー資料A(高野研究員)
セミナー資料B(高野研究員)

第53回通常総会記念講演
経済政策に行動経済学を活かす
2016年6月15日(水) 開催  (掲載日:2016年8月10日)
日本経済研究センター
講師
大竹文雄・日本経済研究センター研究顧問、大阪大学教授
要旨
人間の心を解した政策、必須に―増税延期も様々なバイアスが大きく影響―
@財政破綻の可能性が大きいのに増税が延期されたのは、行動経済学の知見が示す様々な“バイアス”で説明が可能である。しかし、財政破綻というギャンブルを選ぶようなバイアスに政策が左右されるべきでないし、公約を守る仕組みも必要だ。
A人間は現在の楽しみを重視し、苦しみを後回しにする性向を持っている。その誘惑を克服するには、実効性のあるコミットメントを設けて現在の行動を制限することが必要だ。
B人々が損失を嫌がる影響は強力だ。政策の便益を人々が総合的に判断できるように理解しやすい枠組みを構築し、可能な限り損失を想起させないように利得とパッケージになるように制度設計を行い、政策に対する支持を得ることが肝要となる。
C自分が負担している税額を正確に計算するのは容易でないし、複雑な税制を正しく理解するのも難しい。他方、人々には他人の選択や予め設定された選択肢を参照基準にして自分の行動を決める傾向がある。それを逆手に取った、巧みな制度設計が国際的なスタンダードになるかもしれない。
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株価座談会
世界景気と日本株―2016年後半の相場展望
2016年6月14日(火) 開催  (掲載日:2016年6月21日)
日本経済研究センター
講師
土岐大介・ドイチェ・アセット・マネジメント社長
海津政信・野村證券金融経済研究所シニア・リサーチ・フェロー兼アドバイザー
司会)今川京子・日本経済新聞社編集局次長兼証券部長
要旨
6月14日に日本経済研究センターが開いた株価座談会では、野村證券金融経済研究所の海津政信シニア・リサーチ・フェローと・ドイチェ・アセット・マネジメントの土岐大介社長は、米国景気は利上げ可能なほど力強いとの意見で一致。日経平均株価は米国の利上げをきっかけに上昇に転じると指摘した。
16年6月15日付日経新聞朝刊に掲載の関連記事はこちら
※PDF記事は、講師及び日本経済新聞社の許可を得て転載しています。
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<大阪>注目データで2016年後半の経済を展望 ― 個人消費と設備投資を中心に
2016年6月13日(月) 開催  (掲載日:2016年6月30日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
宅森昭吉・三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト
要旨
景気は今夏以降緩やかに改善へ―雇用・所得環境の改善が支え
@米国を震源地とする為替相場の急激な変動や、中国経済の減速など、海外要因に頭を抑えられ、わが国の景気の先行き対する不透明感は依然として強い。16年4月に発生した熊本地震の後遺症に対する懸念なども、不透明感を増す要因になっている。
Aただ、国内では明るいデータも数多く出てきている。日銀短観の非製造業業況判断DIや企業倒産件数などは、バブル期以来の明るい数字になっている。中小企業の設備投資も堅調だ。インバウンド消費の大幅な伸びもGDPに寄与している。
B雇用・所得環境の改善も大きな支えだ。完全失業率は20年ぶりの低水準。非正社員・非正職員を中心に賃金も順調に増加しており、これを支えに個人消費も底堅い。景気は早ければ8月にも改善傾向と判断され、緩やかな回復が続いていく公算が大きい。物価も賃金の上昇を背景に、今後上昇基調になるとみている。
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セミナー資料(宅森氏)

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≪JCER/日経「アジア・コンセンサス」調査関連セミナー≫
ASEAN経済の展望
2016年6月1日(水) 開催  (掲載日:2016年6月8日)
日本経済研究センター
講師
スリン・ピッスワン・ASEAN前事務局長(タイ元外務大臣)
モデレーター)日下淳・日本経済研究センター主任研究員
要旨
日本経済研究センターは2016年4月から、ASEAN5カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア)とインドの有力エコノミストを対象に「JCER/日経 アジア・コンセンサス」調査を始めた。これを受け、スリン・ピッスワンASEAN前事務局長(タイ元外相)を招き、6月1日に「ASEAN経済の展望」と題したセミナーを開催した。当日の内容について報告する。
概要(PDF)はこちら
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セミナー参考資料(アジア・コンセンサス)
アジア・コンセンサス調査(16年4月18日発表)
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≪連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第8回
マイナス金利下で市場はどう動く?
2016年5月24日(火) 開催  (掲載日:2016年6月23日)
日本経済研究センター
講師
加藤出・東短リサーチ代表取締役社長チーフエコノミスト
平野英治・メットライフ生命保険取締役代表執行役副会長
正直知哉・ピムコジャパン・マネージングディレクター
司会)竹内淳・日本経済研究センター主任研究員
要旨
日銀は市場との信頼回復を―中国の為替政策が投資リスクに
@【加藤氏】日本銀行のマイナス金利政策は、金融機関の収益に与える悪影響が欧州と比べると大きい。マイナス金利が長期化すると、年金運用などに多大な負担も強いる。日銀と市場との対話もうまくいっておらず、信頼関係の再構築が必要だろう。人口減少を抑えるための総合的な対策を成長戦略の中核にするべきである。
A【平野氏】日銀によるマイナス金利の導入は、1999年以降続いてきたゼロ金利政策の延長上にあり、非連続的な変化ではない。2013年以降、黒田東彦総裁の下での日銀の金融緩和により、物価の基調は上昇し、潜在成長率を上回る成長も果たしている。現在の円高株安は外部環境の不透明性が主因であり、日銀だけを批判するのは筋違いである。
B【正直氏】グローバルな投資環境は、リスク資産への投資から得られる期待利回りが低位にとどまる状況が想定される。中国の為替政策は長期的には元高に向かい得るが、短期的には元安を志向し、市場のボラティリティを高める要因である。金融再規制の強化でドル供給が減っており、日本の投資家は為替ヘッジコストの上昇による収益低下にも直面している。日銀が政策枠組みの修正を迫られる事態も想定される。
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加藤氏セミナー資料
平野氏セミナー資料

≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第7回
非伝統的金融政策に限界はあるか、マイナス金利を中心として
2016年5月17日(火) 開催  (掲載日:2016年5月30日)
日本経済研究センター
講師
伊藤隆敏・日本経済研究センター特任研究員、コロンビア大学教授兼政策研究大学院大学特別教授
司会)原田亮介・日本経済新聞社論説委員長
要旨
マイナス金利政策には一定の効果 −今は財政出動の時期にあらず −消費税率も予定どおり引き上げるべき
@日銀が1月下旬に導入を決定したマイナス金利政策は、利ザヤの縮小につながるとして、銀行界の反発が大きい。しかし、公表した後は2営業日連続で円安・株高が進んだため、一定の効果はあったと見るべき。
A米国の投資家を中心に「ヘリコプターマネー」の議論が浮上している。日銀引き受けの形で政府が無利子の永久債(政府紙幣)を発行すれば、政府債務を増やさず財政を拡大できるとの考え方だ。ただし日銀券という負債に見合う形で保有する永久債の資産性には疑問が残る。ヘリコプターマネーは通貨発行益(日銀からの上納金)の先取りにすぎない。
B量的拡大(国債等の買い入れ)はあと2年ほど続けられる。財政出動には財政の維持可能性から限界もある。日本は外国人労働、女性・高齢者の就労促進などでひとり当たりの生産性を高め、潜在成長率の向上を目指すべきだ。
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ブロックチェーンの可能性
2016年5月16日(月) 開催  (掲載日:2016年5月31日)
日本経済研究センター
講師
松尾真一郎・東京大学生産技術研究所海外研究員、マジックキューブ・チーフセキュリティサイエンティスト
要旨
技術はまだ成熟していない―革新的応用例登場に期待
@ビットコイン/ブロックチェーンのキーワードは、De-centralization(「非中央集権的」)。ビジネスや価値の流通の仕方を非中央集権的に処理することを目指している。
Aブロックチェーンは、従来からある技術を組み合わせたものだが、P2P(peer to peer)ネットワークと連携し、公開管理できるようにした点が新しい。誰でも検証可能な分散データベースが可能になる。
Bビットコインが先行したが、今後は通貨以外の応用の開発にベンチャーがシフトしていく。信頼性の基盤としての応用の1つとして、スマートコントラクト(契約)がある。
Cビジネスが先に走り出しているが、暗号の安全性など技術的には未成熟だ。開発者に、大学研究者がもっと参加することが求められる。私は、大学によるブロックチェーン技術研究用テストネットワークの構築に取り組んでいる。公開検証可能な情報が誰でも作れて誰でもアクセスできることで、誰でも新しいビジネスを生み出せるようになるだろう。
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セミナー資料

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≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第6回
アベノミクスとマイナス金利政策
2016年5月11日(水) 開催  (掲載日:2016年6月2日)
日本経済研究センター
講師
浜田宏一・内閣官房参与、エール大学名誉教授
司会)左三川郁子・日本経済研究センター主任研究員
要旨
マイナス金利政策で課税権が政府から日銀へ―政策効果発揮には裁定機会が重要
@日本銀行が導入したマイナス金利政策は、経済分析や国際金融論から見ると、裁定が働き、イールドカーブ全体を押し下げることに寄与している。しかし、為替市場や株式市場の反応はedgy(神経質)で、経済合理性だけでは説明が難しい。
Aマイナス金利政策によって、政府の徴税権が日銀に一部移るという見方もできる。質的に大胆な政策のため、このまま推し進めるのか、一定期間で止めるべきなのか、判断するためは財政学、行動経済学、心理学等、広い視野で考える必要がある。
B日銀の物価安定の目標は、2%が適切な水準である。あくまでも日銀の責任外の原油安の効果を除いたコア・コアの指数が基準だ。また実現可能な時期についてこだわる必要がない。
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セミナー資料1
セミナー資料2

≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第5回
金融政策とデフレーション
2016年4月19日(火) 開催  (掲載日:2016年5月17日)
日本経済研究センター
講師
吉川洋・立正大学教授 (前東京大学教授)
モデレーター)菅野幹雄・日本経済新聞社編集委員兼論説委員
要旨
マイナス金利で不確実性が高まり消費性向は落ちる―「期待」が物価の決定に果たす役割は小さい
@黒田日銀は強気のレトリックに終始し、説明責任を欠いている。3年経っても物価安定目標の2%は実現できなかった時点でゲームセットと認識すべきである。一般物価の動きは個々の物価の相互作用によって決まっている。「期待」の役割は小さい。
Aマイナス金利でどの程度投資需要が出てくるか。「日本は大丈夫なのか」と不安に思う人たちが多いのではないか。不確実性が高まり、人々の予備的貯蓄が増えると、消費性向は落ちる。
B貨幣数量説が成立しないのは、「他の条件が一定」でないから。家計も企業もそれぞれの小宇宙の中で合理的に行動している。消費増税はすべての人々の行動を変えるが、黒田緩和はそうではない。最近のマクロモデルのミクロ的基礎付けは正しくない。

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電力自由化・構造改革の影響―ドイツを参考に
2016年4月15日(金) 開催  (掲載日:2016年4月27日)
日本経済研究センター
講師
山家公雄・エネルギー戦略研究所取締役研究所長
要旨
再生エネルギーが成長分野に−政策の透明性高めチャンス生かせ
@近年ドイツでは急速に再生可能エネルギーの普及が進んでいる。2015年には発電量全体の33%を再生可能エネルギーが占めるようになった。
A背景には法律で明確に普及促進の方針を示し、電力自由化・発送配電分離など大胆な制度改革を進めたことがある。コスト高、天候による発電量の不安定性という課題は、新技術やマーケットメカニズムを活用して克服できることもわかってきた。
B日本も遅ればせながら電力自由化・構造改革に踏み出しており、再生可能エネルギーは将来有望な成長分野となり得る。政策の透明性を高め、投資が活発になるような環境整備が喫緊の課題である。
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「情報通信技術が変える経済社会研究会」セミナー
ICTが変える経済社会の展望
2016年4月14日(木) 開催  (掲載日:2016年5月10日)
日本経済研究センター
講師
小笠原治・ABBALab代表取締役、さくらインターネットフェロー
実積寿也・九州大学大学院経済学研究院教授
高地圭輔・日本経済研究センター主任研究員
司会)小林辰男・日本経済研究センター主任研究員
要旨
自由な競争環境整え、革新的企業の登場促せ―急速なイノベーションが企業戦略の見直し迫る
@IoT(Internet of Things)とは、生活者の行動パターンや欲求からフィードバックを受けることで、自然でより快適に生活するための仕組みだ。実現には様々なデバイスが生み出され、ネット・ソフト・ハードが三位一体で融合することで、新たな価値が創出される。単にモノとモノをインターネットでつなげ、効率を上げたり、コストカットしたりすることではない。
Aイノベーションは連続的な改善ではなく不連続な変化の中に生まれる。異端の容認、失敗とやり直しを許容する文化の醸成、旧来システムの見直し、政策的なルールからの解放など、革新的な起業家が生まれ、スタートアップ企業が育つ環境整備が求められる。日本企業社会には、起業家に対して異文化の外国人に接する際の許容度が必要だ。
B企業の付加価値・生産性向上には、顧客を意識したICT(情報通信技術)投資が有効である。「攻めのICT」を意識し、どのような技術をいかなる目的で使うべきなのか、戦略を立てた上で行動することが重要である。さらに投資を効果的なものとするためには、企業の組織や業務執行の再編が必要だ。社会全体でICTをフル活用できるよう規制や企業の組織、業務内容を見直し改革したうえで、投資すれば経済成長を大きく加速できる。
CICT活用によって空いている部屋や自動車を効率よく使いサービス提供するシェアリングエコノミーが拡大している。こうした新たなサービスは消費者の満足度や豊かさを向上させていると考えられるが、既存の経済統計データでは把握できていない。GDPでは表せない効用や豊かさを再定義する時期にきている。
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小笠原氏セミナー資料
実積氏セミナー資料
高地主任研究員セミナー資料

<大阪>マイナス金利下の物価動向
2016年4月11日(月) 開催  (掲載日:2016年5月11日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
渡辺 努・東京大学大学院経済学研究科教授、ナウキャスト創業者・技術顧問
要旨
異次元緩和の効果、サービス価格に波及せず―インフレ目標から賃金上昇率目標へ移行を
@総務省「消費者物価指数」よりも速報性のある「日経CPIナウ」の日次物価指数では、異次元緩和(2013年)と追加緩和(14年)の効果はあったが、マイナス金利(16年)の効果はまだみられない。
A異次元緩和から3年、2%の物価上昇の目標を達成できないのは、商品の価格は上昇しているが、賃金の上昇が限定的でサービス価格に波及していないためである。
B金融政策において自然利子率は重要な指標だ。物価上昇率(インフレ期待)を上げるか、名目金利を下げることによって実質金利を引き下げ、自然利子率に近づけることをめざす。
Cアンケート調査から物価上昇予想の見通しに対し、収入見通しは厳しく、消費抑制の傾向が読み取れる。異次元緩和の政策目標を、2%の物価上昇率ではなく、賃金の上昇率に変更すべきだ。
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セミナー資料

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≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第4回 *会員限り
金融政策と日本経済
2016年4月7日(木) 開催  (掲載日:2016年4月25日)
日本経済研究センター
講師
山口 泰・元日本銀行副総裁
モデレーター)実哲也・日本経済新聞社論説副委員長
要旨
日銀はマイナス金利政策でインフレ期待を冷やした―賃金にスポットライトが当たり始めたのは前進
@生鮮食品を除くコア消費者物価指数は現在ゼロ・インフレだから、2%インフレを目指す日本銀行の量的・質的金融緩和(QQE)政策はうまくいってない。2017年度前半についても繰り延べのリスクがある。
A マイナス金利の登場で、政策メニューはほぼ出尽くした。政策効果で一番重要なのは国民の受け止め方。企業の物価予想や消費者態度指数は国民の反応が厳しいことを示している。マイナス金利政策により、日銀自身がインフレ期待を冷やしてしまった。国民の受けが悪い政策を繰り返すことは難しい。
B 地域の中小金融機関はマイナス金利で運用環境がさらにきつくなり、体力の強化を伴わないまま、新たにリスクテイクせざるを得ない。長期的な傾向として、日本の自然利子率は低下しているが、どれくらいのレベルかは誰にも正確にはわからない。長期停滞の議論を前提にすると、政策金利も当分の間、相当低いレベルで推移せざるを得ないのではないか。
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「メガ・リージョナリズムの時代研究会」セミナー
メガ連携で広がる企業経営の選択肢
2016年4月5日(火) 開催  (掲載日:2016年4月18日)
日本経済研究センター
講師
田川丈二・日産自動車常務執行役員
吉澤隆・経済産業省経済連携交渉官
服部哲也・日本経済研究センター特任研究員、拓殖大学政経学部教授
司会)猿山純夫 ・日本経済研究センター首席研究員
要旨
日本企業、海外との連携深めよ―重み増す「デジタル」のルール作り
@新興国を中心にした需要の増加にあわせ、日産自動車は現地化や提携先工場での生産を増やしている。機動的な生産や輸送費・為替リスクの低減が可能になり、供給体制は、かつての日本のマザー工場中心からマルチ拠点型に移行している。
A環太平洋経済連携協定(TPP)は従来の物品貿易にとどまらず、幅広い分野を対象にした21世紀型の通商ルールだ。中でも、電子商取引に関するルールは、国境を越えた情報の自由な交換を確保し、投資やサービスの国際展開を支える。中小企業や起業家に大きな便益をもたらす。
B自動車では今後の技術革新や新市場は自動運転などデジタル関連分野になる。電子商取引を含めた新しい分野のルール作りが今後重要になる。
C付加価値ベースで貿易を見ると、日本が強いとされる輸送機械でも韓国の追い上げが急だ。グローバル・バリュー・チェーンへの参画を増やすため、日本は自前主義にこだわらず、海外企業とよりオープンな連携を深めるべきだ。
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資料
田川氏資料
吉澤氏資料
服部資料

≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第3回
対論 河野龍太郎氏 VS 若田部昌澄教授
2016年3月28日(月) 開催  (掲載日:2016年4月15日)
日本経済研究センター
講師
河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト
若田部昌澄・早稲田大学政治経済学術院教授
モデレーター)滝田洋一・日本経済新聞社編集委員
要旨
財政拡張によりデフレ脱却を―若田部氏
金融緩和で潜在成長率は低下−河野氏

@【若田部氏】アベノミクスによって就業者数が増加するなど雇用環境は改善している。予想インフレ率が下がっている中でのマイナス金利政策の導入は、実質金利を下げるための首尾一貫した取り組みである。それにも関わらず現在予想インフレ率が下がっており、デフレ脱却のためには財政政策を緊縮から拡大へと転換する必要がある。2017年4月に予定されている消費増税は凍結するべきである。
A【河野氏】日本の実質GDP成長率は2013〜15年で年率0.7%と、それ以前の3年間(年率1.6%)を下回っている。消費増税や新興国経済の減速など、わずかなショックで日本経済がマイナス成長となるのは、潜在成長率がゼロまで低下しているためである。完全雇用を達成した中での金融緩和は資源配分や所得分配にゆがみをもたらし、潜在成長率を下げてしまう恐れもある。
B今後の政策展開は、若田部氏が「金融緩和と財政拡張を組み合わせたヘリコプターマネー的な政策が必要」と述べた一方、河野氏は「低い潜在成長率を前提とし、持続可能な税・社会保障制度を構築していくべきである」との立場をとった。 。
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若田部氏資料

≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第2回
金融政策の新展開と日本経済 
2016年3月17日(木) 開催  (掲載日:2016年3月29日)
日本経済研究センター
講師
翁邦雄・京都大学公共政策大学院教授
要旨
マイナス金利で自然利子率低下も―金融政策の「サプライズ」は問題多く
@日本銀行が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策」を導入に至った背景には、完全雇用に対応した利子率である「自然利子率」の世界的低下があると考えると理解しやすい。予想インフレ率が低下するなかで自然利子率との差を縮めるには、マイナス金利で名目金利を下げようとすること自体は自然だからである。
Aただし、マイナス金利政策には銀行券の壁がある。また、大規模な量的・質的緩和と併存させたことでさまざまな副作用をもたらす可能性が大きい。
B実質金利の低下によって住宅投資などが増えるのは、翌年以降の投資を今年に付け替える「需要の先食い」に過ぎず、自然利子率が翌年以降は下がることになる。このため長期的に自然利子率を高めるための方策が重要になる。
C日銀の黒田東彦総裁は金融政策運営で「サプライズ」を好んでいる。政策の導入時に市場へのインパクトを強める効果を見込んでいるが、問題が多い。サプライズは市場の混乱を増幅させ経済を不安定化させる可能性が大きい。

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台湾政権交代、どうなる中台関係
2016年3月11日(金) 開催  (掲載日:2016年3月31日)
日本経済研究センター
講師
松田康博・東京大学東洋文化研究所教授
要旨
落としどころ探り危機を回避―「日台FTA」の可能性高まる
@2016年5月に誕生する台湾の蔡英文新政権は、若者の支持をとりつけ、歴史的な大勝利をおさめた。背景には国民党政権の融和路線が招いた中国に対する警戒感の高まりがある。
Aとはいえ中台関係が危機に陥るというシナリオは考えにくい。蔡は中国との関係安定へ向け、周到に手をうっており、「1つの中国」原則を含む中台の「92年合意」については、「歴史的事実」として受け入れつつ、玉虫色の落としどころを探っている。
B台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)の参加には困難が伴うが、日本との自由貿易協定(FTA)は、日台双方に意欲があり、何らかの形で実現する可能性がある。

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≪緊急連続セミナー 論争マイナス金利政策≫第1回
マイナス金利政策について *会員限り
2016年2月26日(金) 開催  (掲載日:2016年3月1日)
日本経済研究センター
講師
雨宮正佳・日本銀行理事
要旨
マイナス幅、機械的に深くせず―金融機関への過度な影響は緩和
@マイナス金利は、短期市場金利がゼロ以下に下がらない「ゼロ制約」を乗り越えるための非伝統的金融政策の1つである。イールドカーブの起点を引き下げることで、イールドカーブ全体を下げるオーソドックスな政策効果を想定している。イールドカーブはマイナス金利政策の導入後に幅広いゾーンで0.2%近く低下しており、予期した通りの効果が出ている。
A市場金利に十分な低下圧力をかけると同時に、金融機関の収益への過度なマイナスの影響は緩和しなければならない。このためマイナス金利が適用される対象は概ね10〜30兆円で一定にしたいと考えている。
B金利全般が下がることで、金融機関の預貸金利ザヤの圧縮は避けられない。しかし金融機関の収益は全体としてみれば高水準だ。マイナス金利の限界は目下のところ不明だが、プラス領域のようにどんどんマイナス幅を大きくはできない。経済物価の見通しから離れて、機械的にマイナスを深くすることはない。
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資料
セミナー資料

グローバルリスク化する中東の混迷
2016年2月19日(金) 開催  (掲載日:2016年3月1日)
日本経済研究センター
講師
福富満久・一橋大学大学院社会学研究科教授
要旨
政治や経済のゆがみが噴出―対立が深刻化、短期安定は困難
@中東および北アフリカ(MENA)が混迷している。世界で最も危険な地域の1つになり、欧州へ逃れる人も急増している。昨年8月には1カ月間の難民が約13万人に達し、大規模な人の流出入も大きなグローバルリスクになってきた。
AMENAでは石油などの資源輸出に財政収入を依存する「レンティア国家」が多い。そこでは権力者が富を独占し、政権維持を目的として恣意的に富を分配するため、国家は腐敗し、真の内的発展が遅れる。このため、ひとたび民族や宗派の対立、軍部と反体制派の対立などが起こると、深刻な内戦に発展してしまう。
Bシリアの内戦をスンニ派とシーア派の宗派対立だと論じる人がいるが、その見方は正しくない。宗教・宗派の違いだけから問題が起きているのではなく、歴史、政治、経済、権力掌握のあり方などを巡るさまざまなゆがみが噴出している。中東が安定するには時間がかかるだろう。
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セミナー資料

聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
15年度円城寺次郎記念賞 受賞記念講演会
少子高齢化、労働力不足時代への対応―労働市場制度の問題点と改革の方向
2016年2月18日(木) 開催  (掲載日:2016年2月29日)
日本経済研究センター
講師
川口大司・一橋大学大学院経済学研究科教授
要旨
女性・高齢者の活躍推進へ―「全員参加」の観点から改革を
@少子高齢化・人口減少は日本経済にとって大きな問題であり、労働市場に関する問題も提起している。財政破綻を防ぐためにも、女性の就業率・正社員比率の男性並みへの引き上げや、年金支給開始年齢の引き上げが必要であり、女性や高齢者のさらなる活用・活躍が社会として求められている。
A女性の活用・活躍には、男性が労働、女性が家事という通念から脱し、共働きが普通であると意識を変えなければならない。その上で、効果の高い地域に重点的に保育所を設けるなど、女性の就業を支援するきめ細かな体制づくりが課題となる。
B高齢労働者の非正社員比率の高さの背景には、定年退職制度の存在がある。生産性に見合った賃金制度を構築することで、賃金カーブを平坦化させ、定年年齢を引き上げていくことが急務である。
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人民元の国際化と中国の通貨戦略
2016年2月10日(水) 開催  (掲載日:2016年2月23日)
日本経済研究センター
講師
露口洋介・信金中央金庫海外業務支援部上席審議役
要旨
「脱ドル」推進、SDR入り―目標は名目実効為替レートの安定
@中国は1990年代から「ドルペッグ制」の採用と、そこからの離脱を繰り返してきた。国外情勢に対応して為替制度を変えてきたわけだが、2015年8月以降、「市場の需給を基礎に、バスケット通貨を参考に調節する、管理された変動相場制」に復帰し、名目実効為替レートの安定を目指している。
A中国は他国との貿易や投資の決済、銀行間取引の2つの面でドルの使用を減らす「脱ドル」に取り組み、並行して人民元の国際化を推進している。人民元は今年10月、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に入る。これは国際化の重要なステップになる。
B中国は最近、外貨用と元建て用の2本立てで為替管理し、人民元建ての方を少し有利にして使用を促進している。「一帯一路(新シルクロード)」などの展開に伴い、人民元の国際化は一段と進むと予想される。日本はこれを、円の国際化と東京市場の活性化に役立てるべきだ。
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シェアリングエコノミー―生産性革命で未来を切り開く
2016年2月5日(金) 開催  (掲載日:2016年5月9日)
日本経済研究センター
講師
橋正巳・Uber Japan執行役員社長
要旨
世界に広がる「ウーバー」―自動車の相乗り、共有型経済の代表例に
@ウーバーはIT(情報技術)を活用し、「需要=目的地まで車で移動したい客」と「供給=お客様を乗せたいドライバー」を効率的にマッチングするプラットフォームを提供している。技術の力で都市交通のあり方を変えることを目標に掲げている。
A「シェアリングエコノミー(共有型経済)」が注目されている。個人や企業がインターネットを活用し、空いているモノ、空間、サービス、時間などを、それを必要とする個人や企業と交換・共有する経済モデルだ。ウーバーのサービスは「民泊」などと並ぶシェアリングエコノミーの代表例だ。
Bウーバーのサービスは2010年の開始以降、急速に世界に広がり、今では東京を含む400都市以上で提供されている。主力事業である「ライドシェア(相乗り)」は、日本では法的に認められていないが、導入すれば観光立国、地方創生、高齢者福祉に大きく寄与するだろう。
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2016年世界経済とアベノミクス第2ステージ
2016年2月4日(木) 開催  (掲載日:2016年2月18日)
日本経済研究センター
講師
竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
要旨
G7主導で世界経済回復へ―「第2」は社会保障改革など課題に
@中東の地政学的混乱、新興国の減速、米利上げの行方などのリスクはあるが、G7主導で世界経済は緩やかな回復を遂げる。中国政府はいずれ景気テコ入れに政策総動員するが、法の支配が確立せず、「中所得国の罠」にはまる可能性が高い。
Aアベノミクス第1ステージは株価、雇用、物価でかなりの成果を上げた。しかし、財政再建の道筋が不明確など積み残した課題もある。参院選後に、政治的に難しいが、避けて通れない課題に真正面から取り組んで欲しい。
B第2ステージの新3本の矢は唐突感がある。給付付き税額控除導入など社会保障の抜本改革、歳入庁の創設、移民法の制定なども検討してもらいたい。米国で進んでいるシェリング・エコノミーにどう対応するかも課題だ。
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高収益事業の創り方
2016年2月2日(火) 開催  (掲載日:2016年2月15日)
日本経済研究センター
講師
三品和広・神戸大学大学院経営学研究科教授
要旨
既存技術を活用、揺籃期の事業に取り組め―高収益事業の作り方を考える
@事業戦略論で金字塔を打ち立てたマイケル・ポーター氏とは異なる新たな競争戦略論を提唱したい。そのためにまず、事業収益率を高めることに成功した日本企業について分析を試みた。国内上場企業の3000以上の事業を洗い出し、売上高営業利益率などを分析した結果、151の成功例、102の失敗例を抽出できた。
A高収益事業は特定の業種に偏在する。化学工業などでは高収益の事業セグメントが多くあり、夢が持てる。建設業は高収益事業が少ない半面、特損のリスクも少ない。このように業種によって様相は異なる。また成熟期ではなく揺籃期(初期)の事業に高収益の事業が多いことも分かった。
B中期経営計画の作成は見直しが必要だ。日本では一定以上の規模を持つ事業について現場と議論して作り上げるが、これでは収益向上につながらない。多額の費用のかかる「イノベーション」を声高にうたうのもよくない。事業立地を再定義して、ライフサイクルを若返らせる世界の潮流に、今の日本企業は乗っていない。
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<大阪>リレーションシップバンキングの源流に学ぶ ― 江戸時代大坂両替商の融資戦略
2016年1月27日(水) 開催  (掲載日:2016年2月9日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
槻泰郎・神戸大学経済経営研究所准教授
要旨
大坂商人がWinWinで藩財政支える―堂島米会所の金融機能、今も健在
@日本が明治以降、急速に発展したのは江戸時代にその下準備ができていたためで、特に堂島米会所をベースにした金融システムが果たした役割は大きい。大名の財政基盤である年貢米を米切手という金融商品で現金化する合理的な仕組みを創り出した。
A18世紀中期以降、「館入」と呼ばれる大名貸商人が台頭、長期資金の融資、シンジケートローン、米切手の発行調整まで、藩の懐に入って、すべての金融機能を担った。ただし、大坂商人と密接な関係を築けた藩はごく一部だ。
B鴻池善右衛門、加島屋久右衛門、加島屋作兵衛といった豪商は現在のメガバンクに匹敵するほどの信用力を持つ。彼らの資金力をバックに、萩藩、熊本藩、薩摩藩、土佐藩などの雄藩が幕末・維新で活躍した。
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15年度円城寺次郎記念賞 受賞記念講演会
年金改革と残された選択肢―最先端のマクロ経済モデルによる分析
2016年1月27日(水) 開催  (掲載日:2016年2月15日)
日本経済研究センター
講師
北尾早霧・慶應義塾大学経済学部教授
要旨
持続可能な年金制度―個人退職勘定の導入と外国人労働者の受け入れ、カギに
@コンピュータ技術の発達により、異質な個人を組み込んだミクロベースの動学的一般均衡モデルの研究が進み、日本経済の将来について、高齢化の影響をより精緻に分析出来るようになってきた。
Aそれを使って将来を分析すると、現状の年金制度を維持することによる財政コストは2200年には消費税で19%相当に、コストが最も高くなる2080年には消費税で48%相当となる。そのため制度を維持するには大幅な給付額のカットか、受給開始年齢の引き上げ、もしくはその両方が必要となるが、現実には難しいだろう。
B年金の抱える問題には短期、中期、長期の問題がそれぞれあるため、時間軸に応じた対策が必要となる。長期的な対策として賦課方式から個人退職勘定(IRA)を基にした積立方式への年金制度の移行がある。IRAを採用した場合、消費税15%〜20%相当の支出削減効果を長期的に見込むことが出来る。
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中国のネットビジネスと消費動向
2016年1月19日(火) 開催  (掲載日:2016年1月28日)
日本経済研究センター
講師
徐向東・中国市場戦略研究所代表
要旨
カギは「体験談」と「口コミ」―中国人の消費行動を知ろう
@足元で中国の経済成長は鈍化しているが、同国の消費は今後も大きく成長する。特に伸びるのがスマートフォン(スマホ)を用いた電子商取引(EC)だ。2015年には既に、ECによる消費額が個人消費全体の15%を占めるまでになった。なかでも海外の商品を扱う「越境EC」の成長が目覚ましい。
A中国の消費市場を牽引するのは富裕層・準富裕層、35歳以下の1人っ子世代、ネット通販の利用者らだ。こうした消費者層は安全・安心・健康など新しい付加価値を求める。そうした価値の乏しい「快速消費財(日用品)」の市場は飽和化し、それらの商品を扱う企業の8割が、今後5年間で淘汰されるだろう。
B中国人の消費行動では、ネット上の体験談や口コミが情報源として重視される。多くの日本企業はこれに対応できず、ガイドブックやフリーペーパーでPRしたり、パワーブロガーに依頼したりしている。こうした手法は効果が低いので、体験の機会を提供し口コミを増やすよう務めるべきだ。
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海外M&Aに賭ける日本企業―成功のポイントは
2016年1月14日(木) 開催  (掲載日:2016年1月25日)
日本経済研究センター
講師
根本直子・スタンダード&プアーズレーティングジャパン リサーチフェロー、マネジング・ディレクター
久保田穣・スタンダード&プアーズレーティングジャパン 事業法人格付部長、ディレクター
要旨
買収後のガバナンスがカギに―財務健全性との両立目指せ
@日本企業の海外M&Aは昨年、10兆円を超し、過去最高となった。1件当たりの金額が大きくなっており、取引倍率も世界平均を上回っている。計画発表後、株価が上がるケースが多いが、格付けは保守的な方向で評価する場合が多い。
A事業での統合効果が表れるのに時間がかかるのに対し、財務面でのマイナスはすぐ表れるからだ。1+1=3というシナジーを発揮する例はほとんどない。M&Aの目的の明確化、買収後のガバナンスの強化が課題になる。
B国内市場の低迷で、内需型企業も含め海外M&Aは今後とも有力な成長戦略になる。事業統合リスクを最小化し、競争優位性の向上、規模のメリットを現実の収益性改善につなげられるかがカギになる。財務健全性との両立も目指すべきだ。
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新春特別セミナー
アベノミクス第2ステージの針路―新興国経済の変調を越えて
2016年1月7日(木) 開催  (掲載日:2016年1月18日)
日本経済研究センター
講師
岩田一政・日本経済研究センター理事長
要旨
成長戦略推進で生産性向上を―地政学リスクとの向き合い方に課題も
@2016年の世界経済は低成長に陥るリスクがある。米国は15年12月に利上げを実施したが、景気循環の観点からは近いうちにピークアウトする可能性が高く、むしろマイナス金利を含めた金融緩和策を検討する必要がある。欧州は難民受け入れ問題やギリシャ債務問題などで、欧州連合(EU)内部に亀裂が生じている。
A中国経済は公表値以上に減速している可能性が高く、改革が進まなければ、中所得国の罠に陥る可能性がある。一方、対外的には積極的な領土拡張政策を推し進めており、米国の防衛戦略と正面衝突に至るリスクがある。中東の地政学リスクも含め、日本がどう向き合っていくか考える必要がある。
Bアベノミクス「新三本の矢」は、人口減少など日本の構造的問題に正面から言及した点は評価できる。一方、成長戦略の実行は不十分であり、環太平洋経済連携協定(TPP)などによる市場開放や、女性の活躍推進、IoT(モノのインターネット)などの活用による生産性向上が急務である。
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