ポスト「冷戦後」の韓国・北朝鮮経済

2023.05.23|, ,

 公益社団法人日本経済研究センター(JCER)では、2022年度のアジア研究報告書「ポスト『冷戦後』の韓国・北朝鮮経済」をまとめました。  米中の大国間競争激化やロシアのウクライナ侵攻などで「ポスト冷戦期」と呼ばれた時代が終焉したといわれています。大きく変化する国際環境の中で、朝鮮半島の分断国家である韓国と北朝鮮は経済面でどのように対応しようとしているのでしょうか。  政府の経済政策から企業の...

昨年の反動、消費が大幅増に

2023.05.16|

 4月の経済統計は昨年同月がゼロコロナ政策の影響で大きく落ち込んだ反動から、工業生産や社会消費品小売総額などの伸びが目立った。特に新車販売台数は前年同月比82.7%増だったが、2021年4月比では4.1%減という水準。実際の内需回復はなお不十分とみられ、それを反映し消費者、卸売物価指数とも4月は前月より低い増減率となっている。景気のけん引役である投資は盛り上がりを欠き、特に民間投資は内需不振を見越...

1~3月成長率は4.5% 予想上回る伸びに

2023.04.18|

 中国の第1四半期(1~3月)の実質経済成長率は前年同期比で4.5%と、前の期(2.9%)から1.6ポイント上昇し、市場の事前予想(有力サイト、財新網=3.8%)も大きく上回る伸び率となった。国内では民間の設備投資や不動産開発投資が依然として低調で、工業生産の回復も緩慢なままだったが、3月はゼロコロナ規制が撤廃されたことから飲食を中心に消費が急速に回復。外需も伸び、輸出が半年ぶりにプラスの伸びに転...

成長の限界に挑む中国~習近平・長期政権の課題

2023.03.27|

報告書ご購入はこちらから  本報告書は「成長の限界に挑む中国~習近平・長期政権の課題」というテーマのもと、日本経済研究センターが2022年度に実施した中国研究プロジェクトの成果をまとめたものです。2022年秋の共産党大会を経て異例の3期目入りを果たした習近平総書記は、自らの権威を一段と高めるとともに、李克強首相らライバルと目された指導部メンバーの一部を党幹部から排除することにも成功し、「一強体制...

東アジアのリスクと経済安保

2023.03.23|,

報告書(A4、152頁)ご購入はこちらから  公益社団法人日本経済研究センター(JCER)は、2022年度のアジア研究報告書『東アジアのリスクと経済安保』をまとめました。  ロシアによるウクライナ侵攻で世界の分断がさらに進み、東アジア情勢への影響が注目されています。日中国交正常化50周年の2022年、当センターは両国の有識者による国際ウェビナーを開催。そこで展開された分断のリスクやリスク軽減の...

ポスト・コロナの経済回復、ばらつき目立つ

2023.03.16|

 ゼロコロナ政策が解除され、経済の回復が待たれる中国だが、2月の統計は力強さに欠けるものがなお多かった。輸出入はともに5カ月連続で前年実績割れとなり、輸出比率が高い外資系や民営企業を中心に工業生産は回復力が弱いままだ。例年は年初に大きく上昇してきた固定資産投資の伸び率も昨年平均から0.4ポイントしか上向いていない。民間投資が低調なためだ。企業活動の鈍さを反映して、2月の都市部の平均調査失業率は前月...

23年は低めの「5%前後」成長目指す

2023.03.06|,

 中国で3月5日、全国人民代表大会(全人代)が開幕した。退任が決まっている李克強首相は初日の政府活動報告において、2023年の経済成長率目標を「5%前後」とした。22年の実績値(3.0%)よりは高いが、政府目標としては2年連続で前の年より低い設定となった。3期目に入った習近平政権は経済情勢の厳しさを強く認識しており、成長目標はあえて控えめな数字とし、目標の未達という失態だけはなんとしても避けたい...

中国の地方政府、相次ぎ景気てこ入れ策

2023.02.22|

 中国では3月5日から北京市で、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が開催される。会議の焦点の1つは低迷する経済の対策づくりにある。習近平政権にとって、2023年は経済のV字回復が至上命題。政策を総動員して景気をてこ入れする構えだ。習氏の意向を先取りする形で、各地の地方政府はすでに様々な景気刺激策を打ち出している。多くは中小企業の振興や消費支援は柱で、改めて外資導入に強い期待を寄せる地方も少...

景況感、4カ月ぶりに改善

2023.02.13|

  昨年12月にゼロコロナ政策を解除した中国では、減速していた経済成長の回復が期待されているが、1月の統計にその兆候が表れた。製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と前月より3.1ポイントも改善し、4カ月ぶりに景況判断の節目である50も超えた。非製造業の景況感も良いことから、総合PMIは52.9と昨年7月以来の高い数値となった。消費の穏やかな回復を反映して消費者物価指数もわずかに上昇した。た...

22年成長率は3.0% 政府目標に遠く及ばず

2023.01.17|

 中国の第4四半期(10~12月)の実質経済成長率は前年同期比で2.9%と、前の期(3.9%)より1.0ポイント低下した。ゼロコロナ政策の緩和に伴う社会の混乱などで消費が低迷したことや輸出の増加に急ブレーキがかかったことなどが要因だ。この結果、2022年通年の成長率は3.0%となり、政府目標の5.5%には遠く及ばなかった。新型コロナウイルスの感染再拡大や長期的な不動産業の不振、好調だった輸出の息切...