2023.02.23|インド, モディノミクス, 財閥
インフラやエネルギーを事業の柱に急成長したインドの新興財閥「アダニ・グループ」が不正会計疑惑に揺れている。ナレンドラ・モディ首相と同郷のグジャラート州出身ということもあり、政権との緊密さも指摘されている。インドでは来年春の総選挙を控え、有権者や産業界へのアピールを狙った2023年度予算案が発表されたばかり。こうした状況でアダニの疑惑が深刻化すれば、政府の経済政策に対する影響も懸念される。インド産業...
2023.01.13|インド, モディノミクス
今年中に中国を抜いて世界一の人口大国になるインドはインドネシアからG20議長国を引き継ぎ、9月にデリーで開く首脳会議に向け、ロシア・ウクライナ危機や途上国の債務問題といった難題に挑む。インドは日米、オーストラリアと構成する4カ国の枠組み「クアッド」のメンバーでもあり、近年その注目度が大きく上がっている。モディ政権が10年目に入った2023年はいよいよ来年春に迫った総選挙への準備モードとなり、政府は...
2022.10.28|インド, モディノミクス
137年の伝統を誇り、独立の父マハトマ・ガンジーや初代首相ジャワハルラル・ネール、そしてその娘インディラ・ガンディー元首相ら錚々たる指導者を輩出したインド最大野党の国民会議派(INC)は10月17日に総裁選を実施し、ガンディー家に近いベテラン政治家で連邦鉄道相や労働・雇用相などを歴任したマリカルジュン・カルゲ氏(80)が7897票を獲得して当選した。対立候補で「改革派」と目されたシャシ・タルール元...
2022.08.18|モディノミクス, インド
コロナ禍が収束しつつあるとはいえ、記録的な通貨ルピー安やインフレに直面し高度経済成長軌道への回帰が遅れているインドは今こそ経済改革を担う政治の力が求められているーー。2024年春に予定されている次期総選挙では与党インド人民党(BJP)率いるモディ政権の「3連覇」がかかる。その行方を占う印西部・グジャラート州議会選は投票まで3カ月以上を残して早くも選挙戦が本格化してきた。
今年12月に予定している...
2022.07.08|インド, モディノミクス, 航空業界
コロナ禍で運航停止など深刻な打撃を受けたインドの航空業界が回復基調を鮮明にしている。今春以降の出入国規制緩和で旅客数も増加に転じており、タタ・グループ傘下の民間航空として新たなスタートを切ったエア・インディアを始め、約3年ぶりに運航を再開するかつての国内線首位・ジェット・エアウェイズ、カリスマ投資家ラケーシュ・ジュンジュンワーラ氏が出資するアーカサ航空の新規参入など話題も豊富だ。インド政府は来る...
2022.06.03|豪州, インド, 中国, モディノミクス, クアッド
アジア外交の共通理念となった「自由で開かれたインド・太平洋」の実現を担う日米豪印4カ国「クアッド」の首脳会議が5月24日に東京で開催された。4カ国は、海洋進出を加速させ軍備拡張に走る中国への明確なメッセージを打ち出すとともに、ウクライナ侵攻によって世界秩序を揺さぶるロシアに対しても強い姿勢を示した。「ロシア寄り」の外交姿勢が批判されてきたインドや、かつて「親中国」を鮮明にしていた労働党政権が復活...
2022.05.20|インド, モディノミクス, 半導体
インド政府は2021年12月、「インドにおける半導体とディスプレー製造エコシステムのための支援プログラム(インド半導体ミッション=ISM)」を発表、自国を半導体や電子機器などの一大生産拠点に育てる壮大な計画を始動させた。総額7600億ルピー(約1.14兆円)の予算を計上し、半導体工場建設にかかる費用の最大50%を助成する、としており、2~3年以内にインド国内で本格的な半導体の生産に乗り出す考えだ。...
2022.02.22|インド, モディノミクス, EV
世界第5位の自動車大国であるインドに、本格的な電気自動車(EV)の時代が到来しつつある。大気汚染の深刻化などを背景とした環境意識の向上や、原油輸入増加による国際収支の悪化が大きなきっかけだが、車両販売だけでなく充電インフラや関連サービス、自動車ローンといった新たなビジネス創造と雇用拡大、モビリティ改善による民生の向上など様々な効果も期待されている。
現在55~60億ドル程度とみられるインドのEV...
2022.01.04|インド, モディノミクス, ヒンドゥー・ナショナリズム
インドの「国是」とも言うべき「政教分離」や「多様性」が揺らいでいる。若者や都市中間層の圧倒的な支持を受けて2014年に政権の座に就いたモディ首相率いる与党・インド人民党(BJP)だが、その最大の支持母体であるヒンドゥー教団体・民族奉仕団(RSS)の意向を強く反映、ヒンドゥー色の濃い政策を相次ぎ実施、イスラム教徒に対する差別的な政策を施行している。最大野党となった国民会議派など野党は警戒感を強めてい...
2021.12.12|インド, モディノミクス, 経済改革
営業を続けるだけで1日2億ルピー(約3億円)もの赤字を出すなど、経営破綻状態にあったインドのナショナルフラッグキャリア「エア・インディア(AI)」の民営化が正式に決まった。2014年のモディ政権発足以来初めて、インドにとっても実に19年ぶりの民営化案件となった。AIを負債ごと買い取るのはかつて同社のオーナーだった老舗大財閥「タタ・グループ」。タタにとっては1953年に「国有化」された子会社を約7...