グジャラート州議会選迫るインド政治~ルール無用の多数派工作が横行

2022.08.18|,

コロナ禍が収束しつつあるとはいえ、記録的な通貨ルピー安やインフレに直面し高度経済成長軌道への回帰が遅れているインドは今こそ経済改革を担う政治の力が求められているーー。2024年春に予定されている次期総選挙では与党インド人民党(BJP)率いるモディ政権の「3連覇」がかかる。その行方を占う印西部・グジャラート州議会選は投票まで3カ月以上を残して早くも選挙戦が本格化してきた。 今年12月に予定している...

コロナを超えて~インド航空業界の再出発

2022.07.08|, ,

 コロナ禍で運航停止など深刻な打撃を受けたインドの航空業界が回復基調を鮮明にしている。今春以降の出入国規制緩和で旅客数も増加に転じており、タタ・グループ傘下の民間航空として新たなスタートを切ったエア・インディアを始め、約3年ぶりに運航を再開するかつての国内線首位・ジェット・エアウェイズ、カリスマ投資家ラケーシュ・ジュンジュンワーラ氏が出資するアーカサ航空の新規参入など話題も豊富だ。インド政府は来る...

「クアッド」首脳会議、結束アピールに成功

2022.06.03|, , , ,

 アジア外交の共通理念となった「自由で開かれたインド・太平洋」の実現を担う日米豪印4カ国「クアッド」の首脳会議が5月24日に東京で開催された。4カ国は、海洋進出を加速させ軍備拡張に走る中国への明確なメッセージを打ち出すとともに、ウクライナ侵攻によって世界秩序を揺さぶるロシアに対しても強い姿勢を示した。「ロシア寄り」の外交姿勢が批判されてきたインドや、かつて「親中国」を鮮明にしていた労働党政権が復活...

インドが目指す「半導体ハブ」~1兆円誘致プロジェクトが始動

2022.05.20|, ,

インド政府は2021年12月、「インドにおける半導体とディスプレー製造エコシステムのための支援プログラム(インド半導体ミッション=ISM)」を発表、自国を半導体や電子機器などの一大生産拠点に育てる壮大な計画を始動させた。総額7600億ルピー(約1.14兆円)の予算を計上し、半導体工場建設にかかる費用の最大50%を助成する、としており、2~3年以内にインド国内で本格的な半導体の生産に乗り出す考えだ。...

インドにEV時代到来~大企業、異業種やスタートアップが続々参入

2022.02.22|, ,

世界第5位の自動車大国であるインドに、本格的な電気自動車(EV)の時代が到来しつつある。大気汚染の深刻化などを背景とした環境意識の向上や、原油輸入増加による国際収支の悪化が大きなきっかけだが、車両販売だけでなく充電インフラや関連サービス、自動車ローンといった新たなビジネス創造と雇用拡大、モビリティ改善による民生の向上など様々な効果も期待されている。 現在55~60億ドル程度とみられるインドのEV...

揺らぐインドの世俗主義と多様性

2022.01.04|, ,

インドの「国是」とも言うべき「政教分離」や「多様性」が揺らいでいる。若者や都市中間層の圧倒的な支持を受けて2014年に政権の座に就いたモディ首相率いる与党・インド人民党(BJP)だが、その最大の支持母体であるヒンドゥー教団体・民族奉仕団(RSS)の意向を強く反映、ヒンドゥー色の濃い政策を相次ぎ実施、イスラム教徒に対する差別的な政策を施行している。最大野党となった国民会議派など野党は警戒感を強めてい...

エア・インディア民営化ついに決着

2021.12.12|, ,

 営業を続けるだけで1日2億ルピー(約3億円)もの赤字を出すなど、経営破綻状態にあったインドのナショナルフラッグキャリア「エア・インディア(AI)」の民営化が正式に決まった。2014年のモディ政権発足以来初めて、インドにとっても実に19年ぶりの民営化案件となった。AIを負債ごと買い取るのはかつて同社のオーナーだった老舗大財閥「タタ・グループ」。タタにとっては1953年に「国有化」された子会社を約7...

ミャンマー情勢~静観するインド、立ちすくむ日本

2021.06.21|, , , ,

 民主的に選ばれた政権を暴力で転覆させ、抗議デモを行う自国民に銃口を向けるという暴挙に出たミャンマー軍政に対し、世界は厳しい非難の声を浴びせている。しかし、厳しい制裁で軍政が孤立すれば「人権」をさほど気にしない中国やロシアが一気に接近してくるという懸念も根強く、国際社会は断固とした対応ができないジレンマに陥っている。インドにとっても東南アジア諸国連合(ASEAN)で唯一国境を接するミャンマーの混乱...

インドの花形・自動車産業に再びコロナの打撃

2021.05.16|, ,

 2019年の自動車不況に続き2020年にはコロナ禍に直撃されたインドの自動車業界が再び厳しい試練に直面している。昨年秋から国内販売にようやく回復の兆しが見えてきた矢先、今年春からの感染急拡大でメーカー各社は相次ぎ工場の閉鎖に踏み切っており、マンパワーの供給をはじめ部品や資材などのサプライチェーンにも影響が広がりつつある。このまま「ロックダウン」が拡大すれば業界全体にとって大きなダメージとなるのは...

中間層と製造業は「我慢」のインド2021年度予算

2021.02.24|,

“Budget like no other"(比類なき予算案)を掲げて2月1日にインド国会に提出された2021年度(21年4月~22年3月)の予算案は、企業活動の回復や税収見通しが不透明な中、財政赤字を気にせずに歳出拡大を図り、インフラ整備や農業・農村開発、ヘルスケアなどの分野への割り当てを大幅に増やしている。その一方で、コロナ禍で減った税収を補うべく家電や携帯電話部品などへの関税を引き上げ、新た...