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社会保障

原電支援は誰のお金か-安全投資の資金支援をする意向を表明-

河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト

2018/3/13

原電支援は誰のお金か-安全投資の資金支援をする意向を表明-

安全投資の資金支援をする意向を表明

 最近、おやっと思う小さな記事が目に付きました。それは、東京電力ホールディングスと東北電力が、東海第2原子力発電所(茨城県東海村)の再稼働を目指す日本原子力発電(原電)に、安全投資の資金支援をする意向を表明したことです。東海第2原発は運転開始から40年を迎える11月末までに原子力規制委員会の審査に合格し、かつ運転延長の許可を得なければ廃炉が決まります。原電は防潮堤の建設など安全投資の計画を出しましたが、規制委は資金確保策も示すように求めていました。

 原電は1957年に東電など電力9社と電源開発(Jパワー)等が出資して設立されました。東海第2原発が廃炉になり原電の経営が立ちゆかなくなれば、出資する各社が損失を被る恐れがあります。各社が抱える稼働40年超の原発の運転延長にも大きな影響を与えます。このため原電の大株主であり、東海第2原発の売電先の東電と東北電が資金支援する意向を表明したのです。

東電に対する無利子融資枠は2016年に13兆5000億円まで拡大

 支援方法は示されていませんが、東電に原電を支援するお金があるのでしょうか。東電の筆頭株主は、政府と原発事業者が共同で設立した原子力損害賠償・廃炉等支援機構です。機構は福島第1原発事故の賠償や除染にかかる費用を立て替えています。費用が当初想定より膨らんだため、東電に対する無利子融資枠は2016年に13兆5000億円まで拡大しました。福島第1原発では汚染水処理や使用済み燃料の取り出しなど、問題が山積しています。私は融資が20兆円規模に膨らむのではないかと懸念しています。

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